医学界新聞

2017.12.11



第7回日本在宅看護学会開催


佐藤悦子氏
 第7回日本在宅看護学会(会長=山梨県立大・佐藤悦子氏)が11月25~26日,山梨県立大(甲府市)で開催された。2017年9月に厚労省が作成した「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」について解説した学会企画研修セミナー「多死時代を支える看護師の役割――ICTを活用した死亡診断の理解・普及に向けて」(座長=首都大学東京大学院・清水準一氏,講師=厚労省・浅田祥乃氏)の概要を報告する。

医師による遠隔からの死亡診断で,看護師に何が求められるか

 16年6月の閣議決定による規制改革実施計画により,在宅での穏やかな看取りが困難な状況に対応するため,一定の要件下で対面での死後診察によらず,医師が死亡診断書を交付可能になった。ガイドラインはそのプロセスを具体化したものだ。浅田氏の説明によると,ICTを利用した遠隔死亡診断の要件は主に次の5点。①死亡前14日以内の対面診療,②終末期の対応について同意書を用い,医師―看護師―患者・家族間で共通認識が得られている,③医師間や施設間の連携に努めても12時間以内に対面での死亡診断が不可能,④看護師は一定の実務経験,看取り経験を持ち,法医学等に関する一定の教育を受ける(18年1月に東京と福岡で開催予定),⑤ICTを活用し医師がリアルタイムに死亡を判断できること。流れは表の通り(詳細はガイドラインを参照)。質疑では特に③の条件の厳しさを指摘する声が上がり,氏は「今後,運用状況や現場の実情を踏まえ,必要時に改善を図り,在宅での穏やかな看取りを推進したい」との考えを述べた。

 ICTを利用した死亡診断等の流れ(一部)

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