医学界新聞

2017.11.27



第30回日本サイコオンコロジー学会
第23回日本臨床死生学会合同大会開催


 第30回日本サイコオンコロジー学会と第23回日本臨床死生学会の合同大会(会長=埼玉医大・大西秀樹氏)が10月14~15日,きゅりあん(東京都品川区)にて開催された。本紙では,高齢がん患者と家族の意思決定支援について議論されたシンポジウム「高齢がん患者の治療をめぐって――意向の異なる患者と家族を支援すること」(座長=北里大大学院・岩滿優美氏,神奈川県立がんセンター・横尾実乃里氏)の模様を報告する。


医療者は患者と家族の橋渡しを

大西秀樹会長
 緩和ケア医の松本禎久氏(国立がん研究センター東病院)は,「(高齢がん患者の)本人は抗がん剤治療を希望しないが,家族が希望する」事例を想定し,医療者の支援を検討した。高齢がん患者の問題は,身体的な脆弱性や認知機能低下・認知症をはじめ,抑うつ,社会・経済的背景に至るまで多岐にわたる。患者の理解・認識・論理的思考・選択の表明から意思決定能力を把握し,治療方針を決めていく過程では,家族や主治医にも葛藤が生じる。そこで,緩和ケアサポートチームが患者・家族・主治医それぞれの「語り」を聞き,一緒に考え決定していく支援が重要だという。「個々の高齢がん患者の背景を理解し,正しい医療情報を伝えた上で合意形成のプロセスを積み重ねることを心掛けたい」と強調した。

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