医学界新聞

2017.04.10



合格率88.7% 過去10年で最低

第111回医師国家試験合格者発表


 第111回医師国家試験(2月11~13日実施)の合格者が3月17日,厚労省より発表された。受験者数9618人(前年比184人増)に対し,合格者数8533人(同97人減),合格率は88.7%と,過去10年で最も低かった。

 女性受験者数は3250人(同216人増)となり,合格者数の男女比は女性が34.5%と過去最多を更新した。

将来を見据え臨床研修に臨む

 発表会場となった厚労省・講堂(東京都千代田区)には,14時の発表前から受験者,学校関係者らが集まった。発表後は,友人らと合格を喜び合う輪が次々にできた。今後の抱負を尋ねると,小児心臓血管外科医をめざす男子学生は,「これまで応援してくれた周囲の期待に応えられるよう,臨床研修の2年間もその先を見据え充実させたい」と語った。また医師国家試験対策委員長を務めたという男子学生は,「試験直前の2か月間はつらいこともあったが,皆で励まし合って乗り越えたことで,今日の合格を迎えられた」と笑顔を見せた。試験内容に関しては,「初日の必修問題が難しく,出来に不安を感じたが,2日目から気持ちを切り替えて臨んだ」といった感想が聞かれた。

 なお,第112回(2018年)医師国家試験から「一般問題」の出題数が削減され,全体で現行の500題から400題に,試験日数も3日間から2日間に短縮される予定となっている。第95回(2001年)より,出題数がそれまでの320題から500題へ拡大され,試験日数が2日間から3日間に延長されて以来の大幅な見直しとなる。出題傾向は「臨床実地問題」により重点が置かれることが,2015年にまとめられた「医師国家試験改善検討部会報告書」に言及されている。

●学校別合格者状況は厚労省ウェブサイトを参照

写真 合格発表の模様
スマートフォンで受験番号を撮影する合格者(東京,厚労省)。

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