医学界新聞

寄稿

2016.10.10



【視点】

卒後臨床研修センター業務に生かす「産業・組織心理学」

江村 正(佐賀大学医学部附属病院卒後臨床研修センター専任副センター長・准教授)


 2004年の医師臨床研修制度必修化に伴い,臨床研修病院には研修の統括部門が必要となり,以来,卒後臨床研修センターが多くの病院に設置されることになった。筆者は,そこでさまざまな仕事を行ってきたが,内容があらゆる方面におよび,従来の臨床医の仕事とは全く異なるものばかりであった。

 着任して10年が過ぎ,後進の育成も考え今までの活動を振り返ってみたが,なかなか活動内容を体系づけて整理することができずにいた。

 卒後臨床研修センターの業務について模索する中,「産業・組織心理学」との出合いがあった。産業・組織心理学とは,心理学を産業領域に応用したもので,「組織とかかわりを持っている人々の行動を記述し,理解し,予測することによって,人間と組織との望ましい,そして,あるべき関係の仕方を見出すことを目的とした科学」1)と言われている。組織行動,......

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