医学界新聞

2016.08.22



第14回日本臨床腫瘍学会開催


 第14回日本臨床腫瘍学会学術集会(会長=神戸大大学院・南博信氏)が,7月28~30日,神戸国際展示場,他(兵庫県神戸市)にて,「Breaking Through the Barriers: Optimizing Outcomes by Integration and Interaction」をテーマに開催された。本紙では,免疫療法関連企画の中から,パネルディスカッション「免疫チェックポイント阻害薬の副作用管理」(司会=和歌山県立医大・山本信之氏,がん研有明病院・西尾誠人氏)の模様を紹介する。

領域横断・職種横断のチームマネジメントが必要

南博信会長
 「いつ,どのような種類の免疫関連有害事象(以下,irAE)が生じるか予想することは事実上困難である」。そう説明したのは,腫瘍内科医の北野滋久氏(国立がん研究センター中央病院)。従来の抗がん薬に比べて免疫チェックポイント阻害薬による副作用の発生頻度は低いものの,irAEは胃腸障害・肝障害・肺臓炎・皮膚障害・神経障害・内分泌障害など幅広い範囲に生じ得る。特に内分泌障害は不可逆で,ホルモン補充療法から離脱できない症例が多い。また,発症時期は治療中が多いが,投与後数週から数か月後に発症することもある。さらに,複合的がん免疫療法(併用療法)では,同時併用による副作用の増強に加え,投与順序による副作用の出現もある。氏は,ベースラインと各回投与前に肝機能・血糖・甲状腺機能の血液検査を行うこと,安全性を重視しステロイド等で積極的に副作用対策を行うことを推奨(ただし,腸管穿孔例,劇症1型糖尿病例では投与しない)。順次投与であっても免疫チェックポイント阻害薬の影響に留意するよう注意を呼び掛けた。

 irAEのうち,死亡例も報告されている間質性肺疾患(以下,ILD)については,岡本勇氏(九大病院)が解説した。免疫チェックポイント阻害薬のうち,オプジー...

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