医学界新聞

2016.06.20



第112回日本精神神経学会開催


 第112回日本精神神経学会学術総会(会長=慈恵医大・中山和彦氏)が,6月2~4日,幕張メッセ,他(千葉市)にて開催された。「まっすぐ・こころに届く・精神医学」がテーマに掲げられた今大会では,90を超えるシンポジウムに加え,数多くの講演やワークショップが企画され,熱い議論が交わされた。

精神障害者の自動車運転をどのように考えるべきか

中山和彦会長
 2014年施行の「自動車運転死傷行為処罰法」により,疾患や服薬の影響で運転事故を起こした場合の厳罰化が規定された。患者の運転可否の判断や,添付文書で運転禁止が明記されている薬剤の多さなど,精神科医を悩ませる問題は多い。シンポジウム「精神障害と自動車運転――運転事故新法および添付文書の現状を踏まえた今後の方向性」(司会=名大大学院・尾崎紀夫氏,東女医大・石郷岡純氏)では,法施行後の現況や問題点が議論された。

 各国の研究結果を概説したのは,名大大学院の岩本邦弘氏。疫学研究において,向精神薬と運転事故の関連は報告されているものの,疾患の重症度や服薬状況といった他の要因が関与している可能性も否...

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