医学界新聞

2016.01.25



第35回 日本看護科学学会開催


 第35回日本看護科学学会学術集会(会長=日赤広島看護大・小山眞理子氏)が2015年12月5-6日,「先見・叡智・創成――時代を拓く看護」をテーマに広島国際会議場,他(広島県広島市)で開催された。超高齢社会を迎え,地域の保健・医療・福祉は包括的・継続的な体制を構築する方向へ動き出している。こうした社会状況の中で活躍できる看護師をいかに養成していくか,それが看護師養成機関に課せられた責務と言える。シンポジウム「地域包括ケア時代における看護学教育の新たな取り組み」(座長=千葉大大学院・宮﨑美砂子氏,県立広島大・岡光京子氏)では,社会の要請を踏まえて看護教育の強化に先駆的に取り組む3施設の実践が共有された。


小山眞理子会長
 大分県立看護科学大の村嶋幸代氏は,同大学士課程における「予防的家庭訪問実習」を紹介した。同実習は,在学中の4年間,地域に住む75歳以上の高齢者を定期的・継続的(年3-5回程度)に訪問し,機能低下予防に取り組むというもの。4年間,同一の患者を担当することが特徴で,地域住民の健康状態の改善とともに,高齢者を長期的な視点でとらえる力を養うことが狙いだ。「学生は,病院の中で提供される医療が限られたものであることに気付き,継続的にかかわることの大切さを実感できる」。村嶋氏はそのように実習の手応えを語った。同実習を行うに当たっては,学生や教員のみならず,地域住民,県・市自治体,地域の自治会や高齢者クラブなどの関係団体とあらゆる人々の協力が欠かせない。実習の設定や継続のコツとして,村嶋氏

この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。

開く

医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。

医学界新聞公式SNS

  • Facebook