第63回日本心臓病学会の話題より
2015.10.12
ICT活用で学会の議論を双方向に
第63回日本心臓病学会の話題より
特別企画「General Cardiology Hangout」 |
参加者が各自の端末から意見を随時投稿,演者らはコメントを確認しながら議論
今回導入されたICTツールは,東京医大の学生・教職員が普段使用しているe-ラーニングポータル「e自主学習」。学術集会長の山科章氏(東京医大)の発案により,2題の特別企画において活用された。参加者らは,自身のスマートフォンやタブレット端末,PCを用いて会場Wi-Fiからe-ラーニングポータルにアクセス。各自に割り当てられたユーザー名・パスワードを入力し,ログインする。また,即興で選択式アンケートを採ることができるように,アンサーチェッカーが手渡された。
特別企画「General Cardiology Hangout」では,「胸痛・呼吸困難を主訴とする71歳男性。狭心症でPCI施行歴あり。心不全治療とカテーテル検査のどちらを優先すべきか?」など,臨床現場で悩ましい症例を各演者が提示。参加者らは各自の端末を用いて,心電図やエコーの検査結果を確認し,自らの考える“次の一手”を投稿。前方スクリーンに表示された投稿コメントを踏まえて,演者らがさらなる討論を行った。
また,特別企画「本音でツイート。今,若手循環器医師が考えていること,悩んでいること」(座長=慶大・香坂俊氏,東京ベイ・浦安市川医療センター・小船井光太郎氏)では,次世代を担う若手循環器内科医が集い,新専門医制度やキャリアパス,教育・研究環境,海外留学などについて意見を交換。匿名性は保たれている一方で,参加者が会場内に限定さているためか議論が荒れることもなく,自身の抱える不安や悩みなど,本音を率直に投稿していた。
特別企画「General Cardiology Hangout」の運営に携わった水野篤氏(聖路加国際病院)は,「投稿コメントのもらい方には試行錯誤したが,アンケートを併用することでライブ感を出すことができた。今後はこうした新しい形で,双方向でのディスカッションが増えていくのではないか」と,手応えを語った。
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