医学界新聞

2015.07.27



常に卓越したケアを提供するために


田村恵子大会長
 第2回日本CNS看護学会が2015年6月13日,田村恵子大会長(京大大学院)のもと「高度実践看護への挑戦」をテーマに開催され,1004人が参加した(会場=東京都千代田区・日本教育会館)。専門看護師(以下,CNS)は,1996年から認定が開始され,2015年4月時点で,11分野1466人が認定を受けている。本紙では,高度実践看護の担い手としてのCNSの在り方を示した大会長講演「高度実践看護への挑戦」(座長=創価大・添田百合子氏)の様子を報告する。

活動の場に合わせたCNSとしての役割を果たしてほしい

 高齢化の急速な進行に伴う医療システムの変革により,看護の役割は,従来の病院看護を基礎とした治癒モデルから,生活を重視したQOLの向上モデルへと転換が求められている。田村氏は,CNSも同様に,役割の変革が求められていると指摘した。それは,「実践」「相談」「教育」「調整」「研究」「倫理調整」というCNSの6つの役割の中で,さらに,診断・治療に深くかかわりケアとキュアを統合した高度な看護実践を展開すること,それらを通して幅広く看護の質向上に貢献していくことだという。氏は,それらを実現するために,自身の活動を通して感じたCNSに求められる姿を3つ挙げた。

 一つ目は,偶然ではなく,「常に」卓越した看護ケアを提供すること。複雑な健康問題を読み解き,患者の立場に立った問題解決のゴールを設定する,そしてゴールに...

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