第24回日本創傷・オストミー・失禁管理学会開催
2015.06.22
スキンテア予防・管理指針を作成
西村かおる会長 |
老人の脆弱な皮膚を守る
テアは,「主として高齢者の四肢に発生する外傷性創傷であり,摩擦単独あるいは摩擦・ずれによって,表皮が真皮から分離(部分層創傷),または表皮および真皮が下層構造から分離(全層創傷)して生じる」(註1)。テアが発生しやすい背景には,高齢者の皮膚は,表皮の菲薄化と表皮突起の平坦化,真皮乳頭層の毛細血管係蹄の消失が生じ,皮脂分泌や天然保湿因子が減少しバリア機能が低下していることが挙げられる。安部正敏氏(札幌皮膚科クリニック)は,これまではテア発生メカニズムに基づくケア指針がなかったため,医療従事者は予防や対応に難渋していたと現状を分析した。
スキンテア全国実態調査の結果は,紺家千津子氏(金沢医大)から報告された。全体の粗有病率は0.77%,75歳以上では1.65%と褥瘡有病率より低かった。しかし,本調査はWOCナース所属施設で行ったため,通常施設の実態より有病率が低い可能性もあると指摘。テアハイリスク患者(註2)を中心に皮膚の観察を実施し,予防ケアに重点を置くように注意を促した。有病率が高い診療科・病棟には,皮膚科,...
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