医学界新聞

2015.06.22



スキンテア予防・管理指針を作成


西村かおる会長
 第24回日本創傷・オストミー・失禁管理学会(以下,WOC学会)が2015年5月30-31日,西村かおる会長(NPO法人日本コンチネンス協会)のもと「排泄ケアの本質と革新――変わらぬケアと進化するケア」をテーマに開催された(会場=千葉市美浜区・幕張メッセ)。今学会では,2013年に行われた事前調査(第3081号参照)に続き,2014年に実施されたスキンテア全国実態調査の結果と,それを基に作成された予防・管理の指針案が示された。本紙では,コンセンサスシンポジウム「テアの状態と管理の実態」(座長=東大大学院・真田弘美氏,前・宮城大大学院・徳永惠子氏)の模様を報告する。

老人の脆弱な皮膚を守る

 テアは,「主として高齢者の四肢に発生する外傷性創傷であり,摩擦単独あるいは摩擦・ずれによって,表皮が真皮から分離(部分層創傷),または表皮および真皮が下層構造から分離(全層創傷)して生じる」(註1)。テアが発生しやすい背景には,高齢者の皮膚は,表皮の菲薄化と表皮突起の平坦化,真皮乳頭層の毛細血管係蹄の消失が生じ,皮脂分泌や天然保湿因子が減少しバリア機能が低下していることが挙げられる。安部正敏氏(札幌皮膚科クリニック)は,これまではテア発生メカニズムに基づくケア指針がなかったため,医療従事者は予防や対応に難渋していたと現状を分析した。

 スキ

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