医学界新聞

インタビュー

2014.07.21

“新人看護職員研修を,いかに県内に根づかせるか。そこで広島県は,医療機関受入研修を柱に,地域で育てていくことを大きな目標とした”

佐藤 真紀氏(広島県健康福祉局医務課・専門員 )に聞く


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◆医療機関受入研修は「丸投げ」ではなく,「補う」ことが狙い

――2010年の新人看護職員研修努力義務化を受け,広島県が初めに取り組んだことは何ですか。

佐藤 その年の8月,県医師会,県看護協会,県病院協会の代表者,さらに有識者として看護系大学の教員,県立看護学校の校長,現場の代表として二次医療圏域ごとに1人の看護部長を構成員として迎え,ワーキンググループを設置しました。2009年度の県内新人看護職員の離職率11.6%(全国平均8.6%)に対する危機感もあり,県主導でいち早く動き出しました。

――ワーキンググループでの検討を受け,どのような方針を立てましたか。

佐藤 最大の目的は,ガイドラインに沿った新人看護職員研修をいかに県内に根づかせるかです。そこで,医療機関受入研修を県内の二次医療圏単位で実施することを柱とし,地域で新人看護職員を育てていくことを大きな目標としました。

――それ以前はどのような研修を。

佐藤 努力義務化以前は,自施設での研修以外は県看護協会が主催する集合研修が中心でした。会場となる看護協会は広島市内に1か所あるだけなので,地理的に遠方の施設や,規模の小さい施設は勤務の関係でなかなか研修に行かせられない事情もありました。

――地域の,近くの施設で行われれば,例えば半日の研修を受け,その日の勤務に戻ることもできますね。

佐藤 ええ。その他にも集合研修に比べて利点が多くあります。少人数での学習のため,講師はその場で新人の理解を確認しながら必要な説明ができ,新人は曖昧な知識を確実なものにできます。また,新人同士が顔見知りになるため研修が情報交換の場になり,新人のやる気にもつながります。さらに,受入先の施設の看護師が講師を務めるため,指導者の育成にもなる

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