医学界新聞

2013.09.23

第23回日本看護学教育学会開催


 第23回日本看護学教育学会(会長=宮城大・武田淳子氏)が,8月7-8日,仙台国際センター(仙台市青葉区)にて開催された。「激動する社会の中で求められる看護学教育」がメインテーマとなった本学会では,「現代医療の方向性」「現代の若者気質」「東日本大震災の体験」の3つの切り口からの発表が行われた。

 本紙ではパネルディスカッション「現代社会に生きる若者に対する看護学教育の挑戦」(座長=甲南女子大・青山ヒフミ氏,東女医大・川野良子氏)のもようを報告する。


"危機"を乗り越える機縁

シンポジウムのもよう
 吉武清實氏(東北大)は,学生カウンセラーとして学内の学生相談を担当している立場から,学生の傾向を分析。「コミュニケーションが苦手」「社会に出るのが怖い」「学業・研究への意欲が湧いてこない」といった自分に自信が持てず,意欲の低い学生が増えているとし,学生の発達の遷延化,社会性の育ちの遅れは,かつて存在した"育てる社会システム"が弱体化したためと解説した。改善には,学生が"成長の危機"を乗り越え"成長の契機"とする"機縁"すなわち学生に主体的に"役割をとる行動"を身につけさせる教育の仕掛けが大切だと述べ,初等・中等教育だけでなく,高等教育機関においても,どう行動したらよいのか学生が具体的に考えられる学習機会を提供する必要があると提言した。

 学生と教員が地域と連携することで,学生が主体となって学習する独自のカリキュラム「橘モデル」を紹介したのは京都橘大の河原宣子氏。同大の看護学部は歴史が浅

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