第28回日本静脈経腸栄養学会開催
2013.03.18
多職種連携の「和」を国内外に
第28回日本静脈経腸栄養学会開催
第28回日本静脈経腸栄養学会が2月21-22日,大村健二会長(山中温泉医療センター)のもと石川県立音楽堂(金沢市)他にて開催された。今学会のテーマである「和」にちなみ,多職種連携による成果の共有はもとより,臨床栄養学と関係が深い8学会・団体との合同企画,東アジアでの連携を重視した中国・台湾・韓国とのジョイント・セッションなどが催された。本紙では,褥瘡治療と栄養管理,高齢者の胃ろうに関するプログラムを報告する。
褥瘡対策チームとの連携強化へ
大村健二会長 |
2010年新設の「栄養サポートチーム(NST)加算」においては褥瘡対策チームとの連携が求められており,各施設からNSTと褥瘡対策チームの連携の在り方が報告された。引き続いて行われた総合討論においても,会場から「褥瘡回診は非常に時間がかかる。どのぐらいの頻度でNSTがかかわればいいのか」との質問が出た。山中氏は「すべての褥瘡患者をNSTが回診するのは負担が大きい。カンファレンスでピックアップした患者を診ていくのが現実的」と経験を語り,石川氏や田村氏もこれに同調。真壁氏は,褥瘡のステージ分類で対象者を絞り込む試みを紹介した。そのほか,褥瘡患者リストの共有,管理栄養士や看護師を核としたコラボレーションもポイントとして挙がった。
また,特別発言者として登壇した大浦武彦氏(廣仁会褥瘡・創傷治癒研究所)は,「褥瘡は,栄養よりも圧とずれの影響を強く受ける」と指摘。体位変換などの看護ケア,体圧分散マットレスといった諸条件を一定レベルに整えてRCTを行った結果,通常の栄養管理と比較して,積極的なエネルギー投与で治癒がより促進されたと報告した。
高齢社会における胃ろうと倫理
高齢者ケアにおける人工的水分・栄養補給法の在り方をめぐる議論がさかんだ。中でも,胃ろうの適応と倫理問題については国民の関心が高まっている。パネルディスカッション「日本の胃ろうを問う――高齢化,QOL,そして倫理・経済的視点から」(司会=国際医療福祉大病院・鈴木裕氏,東大大学院・会田薫子氏)の...
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