医学界新聞

2012.09.10

第44回日本医学教育学会開催


 第44回日本医学教育学会が7月27-28日,末松誠大会長(慶大)のもと慶大日吉キャンパス(横浜市)にて開催された。「一身独立の若手医療人育成を目指して」を基調テーマとした今回は,激動の時代を生きた慶大創立者・福澤諭吉の教育哲学を振り返りながら,医学教育の将来像をどのようにデザインするかを考える演題が数多く並んだ。


医師のプロフェッショナリズムをどう涵養するか

末松誠大会長
 優れた職業人としての医師を養成するためプロフェッショナリズム教育(PE)への関心が高まっているが,定まった教育方法はまだないのが現状だ。シンポジウム「医療プロフェッショナリズム教育とその具体的な取り組み」(座長=国際医療福祉大・天野隆弘氏,横市大・後藤英司氏)では,5人の演者が具体的な教育事例を基にPEの方策を提示した。

 市川家國氏(信州大)は,日本でPEを行う上での課題を概説した。社会奉仕などが医学生の選抜要件となる米国に対し,偏差値中心の入試である日本には,医師の社会的責任を教育する上で固有の課題があると強調。医学教育システムの変革が不可欠だとし,そこにかかわることが医学教員のプロフェッショナリズムだと結んだ。

 藤田保衛大の松井俊和氏は,同大1年生に実施している献体の協力団体・不老会のメンバーとの面接について紹介した。10分間の面接を通じ,学生からは「献体される方の志を伺い,医療人としての自覚がわいた」など評価する声が多

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