金原一郎記念医学医療振興財団贈呈式
2012.03.26
金原一郎記念医学医療振興財団
第26回研究交流助成金・第26回留学生受入助成金贈呈式開催
金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理研脳科学総合研究センター特別顧問・伊藤正男氏)が,3月2日に医学書院本社(東京都文京区)にて,第51回認定証贈呈式を開催した。
同財団は,基礎医学の振興を目的に,毎年2回,助成金を交付している。下期である今回は,海外で行われる基礎医学医療研究に関する学会等への出席を助成する研究交流助成金と,基礎医学医療研究を目的に日本へ留学する大学院生等を助成する留学生受入助成金が交付された。26回目となる今回の対象者は計25人で,贈呈式には,青木吉嗣氏(国立精神・神経医療研究センター)ほか7人が対象者を代表して出席した。
開会に際し,金原優同財団常任理事(医学書院代表取締役社長)は,医学書院の創業者・金原一郎の遺志を継いで設立された本財団の概要を紹介し,「今後の研究活動に助成金を役立ててほしい」と語った。
認定証贈呈の後,選考委員長を務める野々村禎昭氏(東大名誉教授)は,選考委員内で慎重に議論を重ねて交付対象者の決定に至ったと選考過程のエピソードを紹介。「これを機に,新たな研究の方向性や研究者との交流が生まれるかもしれない。自分の研究の枠を広げて,今後も研究活動に取り組んでほしい」と,交付対象者らを激励した。
続いて交付対象者を代表して青木氏が挨拶に立った。氏らが取り組むのは,デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデルマウスを対象にしたアンチセンス人工核酸を用いたエクソン・スキップの研究だ。その研究成果は,現在行われている同疾患を対象にしたエクソン51スキップの国際共同第III相二重盲検試験へも結び付いている。氏らは,これらの研究成果を,オックスフォード大で開催されるアンチセンス核酸治療研究会で報告する予定。「筋萎縮性側索硬化症や筋強直性ジストロフィーなど,難治性の神経・筋疾患患者に対しても,アンチセンス人工核酸を用いた治療法を臨床応用できるように研究を進めたい」と今後の展望を語った。
●金原一郎記念医学医療振興財団
第26回研究交流助成金・第26回留学生受入助成金交付対象者および研究内容
No. | 氏名 | 所属機関(略称) | 助成金対象 |
1 | 植村明嘉 | 神戸大・血管生物学 | 第7回Kloster Seeon国際血管学会 |
2 | 青木吉嗣 | 国立精神・神経医療研究センター | オックスフォード・アンチセンス核酸治療研究会 |
3 | 風間逸郎 | 東北大 細胞生理学 | アメリカ腎臓学会2012年度学術集会 |
4 | 横田育子 | 札幌医大・ゲノム医科学 | 第9回米国癌学会・日本癌学会合同会議 |
5 | 武藤倫弘 | がんセンター・がん予防研究 | 第44回米国消化器病週間 |
6 | 高村歩美 | 山口大・遺伝子実験 | アルツハイマー病協会国際会議2012 |
7 | 三木康宏 | 東北大・歯学・口腔病理 | 第94回米国内分泌学会年会 |
8 | 宮本理人 | 徳島大・医薬品機能生化学 | 米国連邦実験生物学会夏期研究集会 |
9 | 金子涼輔 | 群馬大・動物実験施設 | ゴードン会議分子細胞神経生物学 |
10 | 石田竜弘 | 徳島大・薬物動態制御学 | 第39回薬物の放出制御に関する国際会議 |
11 | 本多通孝 | 京大・再生科学研 | 第26回ヨーロッパ胸部外科学会 |
12 | 千葉剛 | 国立健康研 健康食品情報 | 第15回国際SHRシンポジウム(国際高血圧関連疾患モデル学会) |
13 | 工藤史貴 | 東工大・地球環境化学 | Royal Society of Chemistry(生合成研究を基盤とした物質生産系を目指して) |
14 | 倉橋敏裕 | 山形大・生化学・分子生物学 | 第16回国際フリーラジカル学会 |
15 | 平直江 | 東京医科歯科大・包括病理 | アメリカ癌学会年会2012年 |
16 | 原園陽介 | 医科歯科大・顎顔面外科 | アメリカ癌学会2012 |
17 | 大野覚 | 京大・耳鼻・頭頸部外科 | 米国気管支食道学会年次総会 |
18 | 大澤崇宏 | 北大・腎泌尿器外科学 | 2012年米国癌研究会議 |
19 | 吉岡聡 | 京大・血液・腫瘍内科 | 2012年米国血液学会年次学術総会 |
20 | 近石康弘 | 産業医大・第2外科 | アメリカ癌学会2012 |
21 | 高見正道 | 昭和大・歯・口腔生化学 | 米国骨代謝学会 |
22 | Marco Marques Candeias | 京大・病態生物医学 | Study of the function and regulation of new p53 isoforms |
23 | Horlad Hasita | 熊本大・際病病理学 | 免疫担当細胞を標的とした新しいがん治療戦略の確立 |
24 | Ada Congrains Castillo | 阪大・老年・腎臓内科 | The mechanisms mediating the chr9p21 locus association with several human diseases, mainly cardiovascular disease, diabetes, cancer and a possible interaction with aging |
25 | 張項凱 | 京大・運動機能解析学 | FT-IRIS解析および生化学的分析手法を用いた膝半月板の研究 |
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