医学界新聞

2012.01.09

80大学行脚中! ジェネラリストに会おう


 「最近よく耳にするプライマリ・ケア医や総合医,家庭医に少し興味がある。でも学内にはロールモデルはおろか,相談できる友達もいない。ひとりで学会主催のセミナーに出向くのもちょっとなぁ」。そんな悩みを抱える医学生も多いのではないだろうか。

 日本プライマリ・ケア連合学会若手医師部会は2011年2月,「若手ジェネラリスト 全国80大学行脚プロジェクト」を発足。"学びたい学生とジェネラリストをつなぎます"を合言葉に,全国の大学での学習会・ワークショップ開催を支援する取り組みを始めている。同プロジェクトの一環として,さる11月26日に信州大で開催された勉強会を取材した。


 「大学では家庭医療を教えることが難しい。なぜなら,私たち教員自身に,家庭医としての経験がないからです。今回は貴重な機会なので,家庭医の診療スタイルやキャリアをぜひ知ってください」。「家庭医療ってどんな医療? 家庭医の日常からキャリア形成・海外留学まで」と題する勉強会の冒頭,地域医療推進学講座准教授で今回の主催者である中澤勇一氏はこう挨拶した。信州大医学部の講堂に集まったのは医学生のみならず,看護学生・研修医も含む計39人,他県からの参加もある。この日は,家庭医療専門医2人と,後期研修中の医師2人が講師を務めた。

全員で記念撮影。医学生だけでなく,看護学生・研修医も参加した。

症例ベースで家庭医療を疑似体験

「医学的な診断・治療,患者本人の体験としての"病い"。両方のバランスが大切」と菅家智史氏。
 ワークショップ「家庭医の診療をみてみよう」では,講師の菅家智史氏(福島医大/只見町国保朝日診療所)が最初に症例を提示。「昨日からみぞおちが痛い」と訴えクリニックを受診した50代女性という設定で,シナリオには「4年前に当院受診歴があり,胃がん検診で要精密検査と言われ胃カメラを実施。異常なし」「2年前に実父が在宅医療を受けていた」などの情報が並ぶ。このシナリオを基に,家庭医の診療プロセスを疑似体験するという趣旨だ。参加者らは,問診票も参考にしつつ,「この患者さんに何を聞きたいか」をグループで討論し全体発表。その後,実際に家庭医・患者役でロールプレイを実施し,感想を再度グルー

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