医学界新聞

2011.08.01

これからのキャンサーサバイバーシップ


 がん対策推進基本計画の策定から5年。来年度から始まる次期基本計画の策定へ向け,現在の進捗状況などの検証が進んでいる。がん対策推進基本計画を契機として注目されるようになったことの一つが,がん患者のQOL向上のための支援の在り方だ。中でも,1986年に米国で生まれた"キャンサーサバイバーシップ"という概念が,近年あらためて注目を集めている。

 7月9-10日,聖路加看護大(東京都中央区)にて開催されたLPC国際フォーラム2011「がん医療 The Next Step――自分らしく生きるためのキャンサーサバイバーシップの理解とわが国における展開」では,最新の動向を踏まえ,がん経験者とその家族が遭遇するさまざまな問題をいかに支援するか,議論された。


フォーラムのもよう
 本フォーラムのプランナーを務めた松岡順治氏(岡山大大学院)は,乳がん治療・再建センターにおける多角的な支援体制について報告した。同センターでは,外来患者の治療に当たり看護師が窓口となり,形成外科,精神腫瘍科など適切な診療科にコンサルテーションを行っている。一方,社会心理的な側面に関しては,医療者によるカウンセリングなどの機会を多く設けるほか,教育を受けたピアサポーターによる支援や患者会などを通し,長期的なコミュニケーションを継続できる体制をとっているという。

 また氏は,これまで...

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