医学界新聞

2011.06.06

MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内


胸部のCT 第3版

村田 喜代史,上甲 剛,村山 貞之 編

《評 者》中田 肇(産業医大名誉教授/ネット・メディカルセンター センター長)

放射線科医,呼吸疾患診療に従事する医師必読の専門書

 1998年の池添潤平(故人),村田喜代史編集による初版以来,人気の高かった本書は,第2版に続いて7年ぶりに,当初からの編者である村田喜代史を中心に,上甲剛,村山貞之を加えて出版された最新の教科書である。執筆者は現在わが国で,臨床の現場および研究で最も活躍されている,46名のそれぞれの分野に精通した専門家で,全国的な構成となった。

 最近の急速な技術的進歩を考慮した,詳細な検査法の解説,被曝の問題,肺標本の作成法から各呼吸器疾患に続く明快で新しい知見を取り入れた記述は,実践的で価値が高い。特にわが国で研究の盛んなびまん性肺疾患の章は240頁を占め,文献も2010年までの635件が網羅されているのが大きな特徴といえる。また,肺癌の診断に定着してきたFDG-PETと進歩の目覚ましい肺機能イメージングの章を新たに加えたことも,この版の完成度を高くしている。

 本文809頁と分厚いが,カラー写真も適切に配置され,読みやすく理解を助けてい...

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