医学界新聞

2010.11.29

臨床心臓病学教育研究会が創立25周年に


 臨床心臓病学教育研究会(理事長=髙階經和氏)の創立25周年記念講演会が11月7日,千里ライフサイエンスセンタービル(豊中市)にて開催された。1985年に設立された同会は,心臓病を中心とした生活習慣病予防のため,医療職を対象とした教育研修活動や,一般市民に対する啓蒙活動を行ってきた。近年では医学生の聴診研修,循環器専門ナース研修などを実施している。また,医学生や看護師の海外短期留学/緩和ケア研修の助成事業をはじめ,2004年には大阪に国際医療研修センター「アジア・ハート・ハウス」を設置し海外からの研修生を受け入れるなど,国際交流にも重点を置いている。

 心臓病シミュレーター「イチロー君」の開発者として知られ,『心電図を学ぶ人のために』(医学書院)などの著書もある髙階氏は講演の中で,自身の臨床心臓病学教育への歩みを回顧。チュレーン大留学時代の恩師で心臓病学の世界的権威であるジョージ・E・バーチ氏の,「臨床の仕事は,あらゆる種類の研究の第一歩である。諸君は臨床の仕事に打ち込むことだ」「ドクターは神様の次の人だ。諸君は患者から絶対の信頼を得なければならない」などの箴言を紹介した。また,帰国後に臨床教育に携わる中,患者を前にせずベッドサイド診察法を披露することに歯がゆさを感じた経験が,後の臨床心臓病学教育研究会設立や米国心臓病学会を模した「ハート・ハウス」の実現など,現在に至る活動につながったと述べた。

 同会は折しも今春に公益社団法人としての認可を受けたところである。今回の創立25周年記念講演会では,会長の木野昌也氏(北摂総合病院)司会のもと,最高顧問の日野原重明氏(聖路加国際病院),名誉会長の河合忠一氏(武田総合病院顧問/京大名誉教授)が演者を務める盛大な催しとなった。

左から日野原重明氏,髙階經和氏,河合忠一氏。

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