医学界新聞

2010.09.20

『リハビリの夜』が新潮ドキュメント賞に!


柳美里氏(左)と熊谷晋一郎氏

 第9回新潮ドキュメント賞(新潮文芸振興会主催)の選考委員会が8月26日に東京都内で開催され,熊谷晋一郎著『リハビリの夜』(医学書院)が選出された。熊谷氏は小児科医で,東京大学先端科学技術研究センター特任講師も務めている。

 同書は,脳性まひ当事者である熊谷氏が自らのリハビリ体験を振り返ったもの。選考会では「すぐれた当事者手記であり,身体論であり,そして思想書でもある比類なき驚愕の書」(受賞理由より)と激賞された。

 選考会場に電動車いすで駆けつけた熊谷氏に,作家の柳美里氏は「言葉遣いがきわめて印象的」,文芸批評家の福田和也氏は「同じ文章を書くものとして身の引き締まる思いがする」と言葉を掛けた。熊谷氏は「一人称で語った当事者研究が,このような大きな賞の対象となったこと自体がうれしい」とやや緊張気味に応えた。

 同書は《シリーズ ケアをひらく》の一冊。今年4月に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『逝かない身体』(川口有美子著)に続いての受賞となった。贈呈式は10月1日にホテルオークラで,小林秀雄賞贈呈式とともに行われる。

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