医学界新聞

2010.08.09

変化を続ける言語聴覚療法の今後を探る

第11回日本言語聴覚学会開催


 第11回日本言語聴覚学会が6月26-27日,立石雅子会長(目白大)のもと大宮ソニックシティ(さいたま市)にて開催された。「言語聴覚療法の展開」をテーマに掲げた今学会では,広がり続ける言語聴覚士の役割と社会的意義をあらためて確認し,さらなる発展に導くべく,さまざまなプログラムが企画され,議論が深められた。


臨床教育において学生の学びをどう導くか

シンポジウムのもよう
 シンポジウム「言語聴覚士養成教育の質の向上をめざして」(司会=目白大・内山千鶴子氏)では,言語聴覚士教育カリキュラムの作成から12年が経過した今,言語聴覚士教育,特に臨床実習の現状と問題点を把握するため,看護師や医師など他職種も交えた議論が展開された。

 まず,藤田郁代氏(国際医療福祉大)は,進学率の上昇や養成校の増加で言語聴覚士の数が増える一方,医療は高度化・複雑化していることなどから,言語聴覚士教育の質が問われていると指摘。氏は養成校59校へのアンケート結果から,「実習施設の確保」「実習内容の統一化・具体化,レベルの均質化」「実習指導者への教育」などの課題を引き出した。その上で,到達目標と学習内容の明確化のため,コアカリキュラムの作成,さらには指定規則の大綱化の必要性を強調し,国際水準に対応できる教育につなげるとするビジョンを示した。

 次に小山眞理子氏(神奈川県立保健福祉大)が,看護学教育における臨地実習について発表した。時代の変化に沿って改正されてきた看護教育のカリキュラムは現在,基礎看護学から「看護の統合と実践」まですべての科目で,講義-演習-実習という一連の流れが規定されてい...

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