医学界新聞

寄稿

2010.06.28

【視点】

物理療法の効果と今後の展望

菅原 仁(日本工学院専門学校 理学療法学科)


 理学療法では治療手段として,運動療法と物理療法が使われている。この2つは両輪であると言われ,併用により相乗効果を得ることができる。物理療法で使用される物理的刺激には,温熱・寒冷・高周波・超音波・電気・機械(伸張・振動・圧迫)などがある。これらの刺激を利用して,痛みの鎮静化,組織伸張性の向上,筋再教育,筋力強化,創傷治癒などを図っている。

 また,健康維持や改善のために物理療法で使用されている機器(低周波治療器,温熱器具,バイブレーター等)が一般に市販されている。では,家庭において物理的な刺激を正しく使っているのであろうか。おそらく理学療法士よりアドバイスを受けていないために適切な使用はできていないと考えられる。そのため,医療機関を受診し,必要なアドバイスを受けておく必要がある。どんな医療行為であっても間違った使用では効果は得られない。

 ここで,効果を得るために必要な条件を考えてみる。重要な条件としては,物理療法手段の選択と物理的刺激のdose(強度・時間・頻度)が挙げられる。これらを適切に決定するためには,患者の...

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