医学界新聞

2010.06.14

MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内


腹部のCT 第2版

平松 京一 監修
栗林 幸夫,谷本 伸弘,陣崎 雅弘 編

《評 者》大友 邦(東大大学院教授・放射線医学)

多様な臓器・病態を網羅した腹部領域CTに関する教科書

 古来中国で人間の内臓全体を言い表すために用いられた“五臓六腑”のうちの三臓五腑(肝・脾・腎と胆・小腸・胃・大腸・膀胱)が腹部にあることからも明らかなように,腹部の画像診断の最大の特徴は,多様な臓器が存在することにある。もちろん病態のスペクトラムも非常に広く,腫瘍,炎症,外傷,先天性疾患など極めて多岐にわたる。これらの特徴は“急性腹症”の鑑別診断に含まれる多数の病態に象徴されているとも考えられる。

 このような腹部の画像診断において,“最も頼りになる検査を一つ選ぶ”としたら,放射線科医に限らず臨床に携わっている方々の多くはCTを選択するはずである。とすると,当然“腹部領域のCT”に関する教科書の必要性は極めて高いことになる。またその教科書には,多様な臓器・病態を網羅することが求められる。

 このたび出版された『......

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