医学界新聞

2010.04.26

病院救急車の活用で病病連携を


 救急医療の現場では救急医療機関や救急車の不足,夜間対応病院の混雑などの問題が生じており,救急搬送において受け入れ医療機関の選定が困難な事案は社会問題化しているところである。この問題に対し東京都では「救急医療の東京ルール」を定めており,都内医療圏域ごとの「地域救急医療センター」の整備,東京消防庁での「救急患者受け入れコーディネーター」の配置を行っている。

 江戸川区内唯一の2次救急医療機関であり,区東部(墨田・江東・江戸川)の「地域救急医療センター」に指定されている東京臨海病院は,このたび江戸川区から病院救急車の寄贈を受け,3月19日に同院にてお披露目式が開かれた(写真)。この病院救急車は心電図モニター・人工呼吸器・超音波装置などを装備。今後は院内の救急救命士が同乗することを原則とし,必要に応じて医師・看護師も同乗する予定だ。

 「東京ルール」では,搬送先が決まらない場合は地域救急医療センターでの「一時受け入れ」を推奨している。応急処置後は適切な処置や入院加療が可能な他の病院に搬送されるが,搬送中に患者の状態が悪化する懸念もある。院長の山本保博氏は「この救急車を病病連携・病診連携に活用していきたい」と抱負を語っており,救急医療ネットワーク構築のさらなる発展が期待される。

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