認知行動療法基礎セミナー開催
2010.04.26
認知行動療法基礎セミナー開催
古川壽亮氏 |
技術を身に付けるときには,教科書を読むだけでなく「お手本」があったほうがよい。そして,その「お手本」の連続的な動きを区切って,「ポイント」ごとに解説を受けることができれば,技術の理解はさらにスムーズだ。古川氏のこの考えに基づき,今回のセミナーはCBTの第一人者であるAaron Beck,Judith Beck父娘による実際の治療を収録した『DVD+BOOK Beck & Beckの認知行動療法ライブセッション』(医学書院)を「お手本」に,CBTの「ポイント」に一つひとつフォーカスを当てる形で行われた。
認知行動療法のスキルが使われたその瞬間を明確に指摘
治療の冒頭部分の解説のひとコマを紹介する。治療の冒頭は「導入」部分であり,患者の悩みの聴取や今回の治療で向き合うべき問題(アジェンダ)の設定などを行う。ここにもたくさんの技術が織り込まれている。患者が自身の問題を自ら発見できるように導いていく「ソクラテス式問答」がその一つ。この問答法は,Open Questionで自由な発言を促す一方,患者のあいまいな表現には具体化を求めて患者の考えに輪郭を与えていくなど発問方法が多様で,使いこなすことは難しい。まさに,「お手本」を請いたくなる技術だ。DVDを再生しながら,古川氏の解説が入る。「今の質問がソクラテス式問答です!」その後も,CBTを構成する技術の一つひとつが丁寧に解説され,うなずきながら聴く人の姿もみられた。
7月18-19日には古川氏と堀越勝氏(駿河台大)を講師に,「認知行動療法ワークショップ」が開催される。CBTをロールプレイで研修でき,こちらも注目の内容だ。
*受講者多数につき,ワークショップ受講申し込みの受け付けは終了させていただきました。
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