医学界新聞

2010.04.19

教科書から学ぶ精神科看護


質問に答える演者ら
 日本精神科看護技術協会による「系統看護学講座『精神看護の基礎』『精神看護の展開』を学ぶ――精神科臨床と教育の手がかりとしての教科書」が,3月7日,日赤看護大広尾ホール(東京都渋谷区)にて開催された。定員300名のところ全国から約350名が来場。満員の会場を熱気が包んだ。

 まず2冊の代表著者である武井麻子氏(日赤看護大)が,患者,家族,看護師それぞれの「ナラティヴ」を紡ぎ出すことを目的に教科書を編纂したと語った。氏は,急性期治療に傾きがちな医療の現場においては,感情を核とした患者とのかかわりが大切であると主張。ただし,患者への共感を強調しすぎることは看護師の「共感疲労」を惹起する可能性があるとし,あくまでも等身大の自分らしく,患者のそばにいることが大切であるとした。

 続いて,執筆者の1人である小宮敬子氏(日赤看護大)は,患者との関係評価のためにプロセスレコードを利用して学習者の気付きを促すことや,精神科看護においても身体のケアは重要視されるべきことなどを...

この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。

開く

医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。

医学界新聞公式SNS

  • Facebook