医学界新聞

2010.04.12

日本循環器学会でスキルミックスを議論


 医療スタッフの役割拡大をめぐる議論が盛んだ。厚労省の「チーム医療の推進に関する検討会」(座長=東大・永井良三氏)は3月19日,「特定看護師(仮称)」の導入や看護師以外の医療スタッフ等の役割拡大を提言する報告書をまとめた。特定看護師は,従来は「診療の補助」に含まれないと考えられてきた「特定の医行為」を“医師の指示を受けて”実施できる枠組みであり,試行の結果を検証した上で「法制化を視野に入れた具体的な措置を講じるべき」としている。一方で,同報告書においては,特定看護師の導入に強い懸念を示す意見が併記されたほか,“医師の指示を受けずに”診療を行う「ナースプラクティショナー(NP)」については「必要性を含め慎重な検討が必要」とされている。

 3月5-7日に国立京都国際会館(京都市)で開催された第74回日本循環器学会(会長=神戸市立医療センター中央市民病院・北徹氏)では,会長特別企画「メディカル・コメディカルのスキルミックス:現状と展望」にて上記検討会委員の永井氏と井上智子氏(医科歯科大)が座長となり,8人の演者がチーム医療の現状と展望を語った。


特別企画「メディカル・コメディカルのスキルミックス」の模様
 米国の「フィジシャン・アシスタント(PA)」は医師の介助業務を主としており,年収は8万ドル程度。米国の経済誌で5位にランクインするほどの人気職業となっている。一方,NPは独立した医療提供者であり,プライマリ・ケアを中心に活躍。かつては,看護協会や医師会によるNP批判があったが,NPの提供する医療の質が医師と同等かそ

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