医学界新聞

2009.10.19

第45回日本移植学会開催


 第45回日本移植学会が9月16-18日,寺岡慧会長(東女医大)のもと,京王プラザホテル(東京都新宿区)にて開催された。今年7月の改正臓器移植法可決後はじめての学会となった今回は「脳死下臓器提供」「ABO血液型不適合移植」「免疫寛容」の3つを基本テーマに,臓器移植をめぐる最新の知見や臓器移植のあり方について議論された。本紙では,その一部を紹介する。 


 改正臓器移植法では,小児の臓器提供や親族に対する優先提供が認められ,さらに本人の意思が不明の場合は家族の承諾によって臓器提供が可能になるなど,臓器提供の要件が大きく緩和された。現在2010年7月の施行をめざし,今年9月より厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会が開催され,ガイドライン等の検討が行われている(親族に対する優先提供については,2010年1月施行予定)。

特別シンポジウムのもよう
 特別シンポジウム「脳死下臓器提供10年間の総括と今後の課題」(司会=日本救急医療財団・島崎修次氏,日医大病院・横田裕行氏)では,これまで移植医療にかかわってきた医師をシンポジストに迎え,10年間を振り返りながら今後の課題を探った。

 わが国における脳死下臓器移植は,これまでにわずか81例にとどまっている。いまだ一般的に行われているとは言いがたい現状のなかで,各病院ではどのような体制作りが行われているのだろうか。市立札幌病院では,救急医療現場において2004年から臓器提供(脳死下,心停止後)を行っている。同院の鹿野恒氏は特別な体制整備は行って...

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