医学界新聞

2009.06.15

第29回日本脳神経外科コングレス


インターネットレクチャーのもよう
 第29回日本脳神経外科コングレス総会(会長=岡山大・伊達勲氏)が,5月15-17日,大阪国際会議場(大阪市)にて開催された。脳神経外科コングレスは脳神経外科医の生涯教育を主目的とした学会であり,専門医取得前の若い医師から,もう一度基本に立ち帰って学びたいという中堅医師,後進の育成にあたる指導医までが集う。今学会では「テクノロジーの進歩と脳神経外科の未来」というテーマのもと,脳神経外科の発展に,日々進歩するテクノロジーがどう寄与できるか,さまざまな視点から論じられた。

 プレナリーセッション「脳神経外科医の生涯教育」(座長=国循・橋本信夫氏,広島大・栗栖薫氏)では,コングレスそのもののテーマである生涯教育が主題となった。専門医取得,留学など脳神経外科医のキャリア形成におけるさまざまな場面で何をどう学ぶか,学習の質を高めるツールやシステムについてレクチャーが行われた。他科との比較として日本整形外科学会から専門医育成制度についての報告があり,またe‐learningの活用法や効率的なOff the job training system,さらにはマルチメディア技術を駆使して手術室での教育を行っている海外からのレポートなど,より効果的な教育のための多彩な工夫が示された。

 特別企画,インターネットレクチャー「世界を結ぶ」(座長=伊達氏)では,インターネットを使って会場と,松本市(信州大・本郷一博氏),韓国(Yonsei大・Seung‐Kon Huh氏),スイス(Hirslanden Clinic・Rüfenacht氏)を結び,プレゼンテーションの実施を試みた。海外からの大規模な中継で通常使用される衛星回線やテレビ回線では,高解像度の映像をスムーズに送受信するとなると多大な費用がかかるが,インターネットを使えば,基本的には接続料のみで海外と双方向の通信ができる。今回はこの中継が成功し,各地からスライドや動画を交えたプレゼンテーションが行われた。今後,このようにインターネットを活用することで,学会における企画の幅がさらに広がり,教育の効果も高められるものと考えられる。

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