医学界新聞

2009.03.09

10年度から臨床研修を見直しへ


検討会には舛添要一厚労相と塩谷立文科相も出席した。
 2004年度から始まった医師臨床研修制度が,2010年度から一部見直されることになりそうだ。厚労省と文科省による「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」(座長=自治医大・高久史麿氏)は2月18日,(1)研修プログラムの弾力化,(2)募集定員や受け入れ病院のあり方の見直し,を柱とする見直し案をまとめた。そのうち「研修プログラムの弾力化」について,主な変更点は下記のとおり。

・国が定める必修の診療科は内科(6か月以上),救急(3か月以上)にとどめ,原則として1年目に実施。
・それ以外の従来必修とされた科目(外科,麻酔科,小児科,産婦人科,精神科)は新たに「選択必修」と位置づけ,各研修医がこの中から2科目を選択する。
・研修2年目には,地域医療研修(1か月以上)を必修とする。
・現行のスーパーローテート方式も,各病院の判断で実施可能。

 計6回にわたる検討会の過程では,研修期間を1年に短縮すべきという意見も出されたが,複数の委員から慎重な意見が相次ぎ,研修期間は2年間を継続することになった。一方,従来は将来のキャリアに応じた専門科研修の選択期間が最大8か月だったが,今回の研修プログラム弾力化によって最大12か月まで可能となる。内科と救急をプライマリ・ケアの柱とすることや,従来の「地域保健・医療」研修を見直し,(保健所等ではなく)地域の第一線の病院や診療所での研修を「地域医療研修」とする案も報告書に盛り込まれたかたちだ。

 また,「募集定員や受け入れ病院のあり方の見直し」については,都道府県別の募集定員の上限設定や,各病院の研修医受け入れ実績を踏まえた募集定員の適正化を図ることとなった。

 こうした見直しは,2010年度(09年度のマッチング,10年度の新研修医)から適用されることになる。今後は医道審議会を経て,09年4月中に関連省令を改正し,病院側の臨床研修プログラム届け出は09年6月中となる見通しだ。なお,医師臨床研修に関する最新の情報は下記から確認できる。

厚労省「新たな医師臨床研修制度のホームページ」
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/index.html
医師臨床研修マッチング協議会
 http://www.jrmp.jp/

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