第20回血圧管理研究会開催
2009.02.02
第20回血圧管理研究会開催
「第20回血圧管理研究会:血圧変動と高血圧管理」が2008年11月29日にメルパルク京都で開催された。本研究会は1989年,日野原重明氏(聖路加国際病院理事長)を会長に発足し,オムロンヘルスケア株式会社の協賛を得て今日に至っている。研究会の目的は血圧管理に関する最新の知見について討議の場を提供し,その研究と啓発を促進することであり,(1)血圧変動,(2)血圧測定(測定法,測定器の評価,血圧評価),(3)ライフスタイルと血圧,血圧の自己管理,(4)高血圧の疫学と予防,(5)高血圧の診療と治療,(6)高血圧と動脈硬化,の内容を含んでいる。
3年前より本研究会の本来の目的である「血圧の管理」を研究する会としてのあり方を強く意識して,研究発表の中に「テーマセッション」を設けることになっているが,今回もこれまでと同様に「家庭血圧と高血圧治療」がメインテーマとなった。一般演題としては20題の応募から15題が選ばれ活発な意見の交換が行われた。今回これまでにはなかったことであるが,動物実験の興味深い研究も一題含まれていた。国内特別講演としては「高血圧を合併した冠動脈疾患に対するABRの有用性:HIJ-CREATEを中心に」が笠貫宏氏(東女医大名誉教授)より,また,国外特別講演としては「Clinical Significance of Office Blood Pressure」がRobert H. Fagard氏(ベルギーLeuven大)によって行われ,いずれも興味深い話題が提供された。特に,“Office Blood Pressure”は今日でも血圧測定のGold Standardであり,その意義を再認識する意味で価値ある講演であったと思われる。
また,今回は本研究会発足20周年に当たり,通常の研究会とは別に市民公開講座が2008年9月末に読売ホールで盛大に開催され,およそ1千人の参加者に対して日野原重明氏が講演と記念演奏会の指揮を行い,好評を博した(写真)。
本研究会は日本高血圧学会の共催で行われており,日本高血圧学会認定講座でもあることから,今後,高血圧診療にかかわる多職種の方々が参加されることが期待される。
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