医学界新聞

2008.12.22

第3回医療の質・安全学会開催


 第3回医療の質・安全学会が11月22-24日,嶋森好子会長(慶大)のもと東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催された。医療界では,これまで他領域の知見を活かした安全文化の醸成が図られてきたが,本学会でも「知の結集と実践の革新」をテーマに,さまざまな分野における知の共有が図られた。本紙では,医療事故調査に関するシンポジウムのもようを紹介する。


 各学会において,最近必ずと言っていいほど取り上げられる話題が,厚労省が進めている「医療安全調査委員会(仮)」をめぐる議論だ。07年4月に開始した「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」での議論を経て,今年4月に医療死亡事故の分析・評価を行う医療安全調査委員会の設置を軸とする第3次試案,6月には法案の国会提出に向けた大綱案が示された。しかし,その是非をめぐり多くの議論が起き,今秋臨時国会への提出は見送られた。検討会においても,各団体,学会等からヒアリングを行うなど,再検討を行っている。

 そんななか,本学会では「医療機関における自浄的医療事故調査のあり方について」と題したシンポジウム(座長=京大病院・長尾能雅氏)が開かれた。はじめに相馬孝博氏(名大病院)が,同院における院内事故調査を紹介。同院では調査委員会を4段階に分け,事故の内容によって,外部有識者を招聘するのか,院内職員のみで検討...

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