医学界新聞

2008.09.08

感染症サマーセミナー2008開催される
――日本感染症教育研究会


 さる7月25-27日の3日間にわたり長野県の諏訪湖畔にあるRAKO華乃井ホテルで,日本感染症教育研究会(Infectious Diseases Association of Teaching and Education of Nippon:通称IDATEN)主催による「感染症サマーセミナー2008」が開催された。

 IDATEN(代表世話人=静岡がんセンター感染症科・大曲貴夫氏)は,日本における感染症診療の発展と教育の推進を目的に,2005年に発足した団体であり,新しい感染症診療の流れをつくるリーダーたちを中心に運営されている。

 特に夏・冬に,研修医などの若手医師を対象に開催される「感染症セミナー」は,評判の講師陣が揃い,集中的に最新の感染症診療を学べることから,高い人気があり,毎年多数の参加希望者を集めている。長野県での開催となった今回は,佐藤泰吾氏を中心に諏訪中央病院のスタッフが運営にあたり,応募者のなかから地域や施設などを考慮して選ばれた80人(医師52人,初期研修医15人,医学生13人)が参加した。

 テーマに掲げられたのは「一般市中感染症の臨床的アプローチ」。優れた感染症診療の著作と教育的手腕で知られる岩田健太郎氏(神戸大・感染症内科)がイントロダクションとして,「今なぜ臨床感染症を学ぶ必要があるのか?」を講演したほか,大野博司氏(洛和会音羽病院・ICU/CCU),本郷偉元氏(武蔵野赤十字病院・感染症科),矢野晴美氏(自治医大・感染症科)など,書籍や雑誌の特集でおなじみの講師たちが,各感染症へのアプローチの基本や,臨床で重要な微生物や抗菌薬について,参加者とのディスカッションも組み込みながら熱の入った講義を行った。また,「鎌田實と語る諏訪中央病院ツアー」や同病院における「グラム染色実習ツアー」など,趣向を凝らしたプログラムも番外で組まれ,参加者には大いに刺激になったもようだ。

 IDATENは,今後も同セミナーを継続して開催する予定であるが,同時に,臨床感染症の教育資材の提供にも力を入れていく方針だ。その第1弾として,セミナーの内容を基にした連載企画「市中感染症診療の思考プロセス─IDATENセミナーより」を,内科雑誌「medicina」(医学書院刊)でスタートさせている。雑誌連載を通して,IDATEN講師陣による,すぐれた講義内容を読むことが可能だ(2008年4月より好評連載中)。

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