医学界新聞

2008.08.25



看護診断の基礎と醍醐味を伝授
――医学書院看護診断セミナー開催される


 医学書院看護診断セミナーが8月3日,京都国際会館アネックスにて開催された。講師は黒田裕子氏(看護診断研究会代表,北里大大学院)と棚橋泰之氏(東京臨海病院)。

 まず黒田氏が,NANDA-I,NIC,NOC(以下,NNN)についての基本的知識を講義し,実際に事例に適用しながら,アセスメントの方法や全体像の捉え方を解説した。そのなかで,看護診断の根幹はアセスメントにあること,また患者の全体像を的確に把握した上で,看護職として優先してかかわるべき事柄を判断することの重要性を強調した。

 さらに棚橋氏が,NNNを使用した看護支援システムの監査方法について解説。看護記録の様式や監査の目的は施設ごとに異なるため,監査システムは各施設において独自に構築する必要がある。それを踏まえ,自院で行っている監査方法を紹介しながら,監査システム構築のコツを伝授した。

 休憩時間等に集められた質問用紙からは,各施設において,看護診断の学習方法・教授方法や,多忙な業務のなかで看護診断を用いることに苦慮している状況がうかがえた。それらの質問に答えながら,黒田氏は,看護診断導入前の継続的な学習機会の提供や,組織のブレーンとなりうる人材育成の必要性を説いた。教員からの「学生に看護診断をどこまで教えるべきか」という質問に対しては,棚橋氏が「診断の背景にある中範囲理論を教えてほしい」,黒田氏は「考え方の骨子を教えることが大事」と述べた。

 今後,東京においても10月18日(土)に同様のセミナーを開催予定である。

http://www.igaku-shoin.co.jp/seminarTop.do

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