『神経文字学―読み書きの神経科学』発刊によせて(谷川俊太郎)
                                                                    
詩を書く立場から                                                            
                            
2008.01.07
『神経文字学-読み書きの神経科学』発刊によせて
詩を書く立場から
谷川俊太郎
| 岩田 誠,河村 満 編 A5・頁248 定価3,360円(税5%込)医学書院
 | 
些細な一時的失読,失書は多くの人が経験していると思いますが,健康な人間は読み書きを子どものころからほとんど呼吸と同じようにしているので,コトバを失うことを,たとえば癌ほどには心配していないのではないでしょうか。ですがたとえ部分的にでも読み書きの能力を失うことは,他人とのコミュニケーションがとり難くなるだけでなく,生きている世界そのものの秩序が崩れていくことでもありますから,その不安は健康な人間の想像にあまります。私はコトバを材料に,詩という細工物を作る仕事をしていますから,本書を多分他の仕事をしている人より切実な感じで読んだと思います。
詩はどんなふうにして書くのですか,というような質問をされることがあります。パソコンの前に座ってコトバが泡みたいに浮かんでくるのを待つのです,というのが私の答え方で...
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