第8回日本クリニカルパス学会開催
病院完結型から地域完結型医療へ
2007.10.29
病院完結型から地域完結型医療へ
第8回日本クリニカルパス学会開催
第8回日本クリニカルパス学会が10月5-6日,松波己会長(手稲渓仁会病院)のもと,ロイトン札幌(札幌市),他にて開催された。メインテーマを「継続と先進――クリニカルパスのさらなる普及のために」とした今回は,今年度新たに学会理事長に就任した福井次矢氏(聖路加国際病院)による基調講演,ヨーロッパにおけるパス事情についての招聘講演などが企画された。
本紙では,本年4月施行の第5次医療法改正のポイントのひとつ,「地域連携」に関するシンポジウム2題のもようを報告する。
■患者中心,病院と在宅の連携のあり方とは

「入院当初から退院計画は始まる」。最初に登壇した宇都宮宏子氏(京大病院)はこう強調し,病棟看護師が主体的に関わる退院計画構築の必要性を説いた。退院支援プロセスを3段階に分けたうえで,第1段階(入院当初)の病棟看護師の役割として「退院支援が必要な患者の早期把握」と,「患者・家族と主治医もまきこんでの退院についての話し合い」を。第2段階として,退院時のイメージを共有し「投薬など提供中のケアを在宅用にシンプルにアレンジしていくこと」を求め,第3段階での退院調整看護師によるサービス調整につなげていると報告した。
腰塚裕氏(アットホーム整形リハビリクリニック)は,大腿骨頚部骨折における在宅療養支援診療所の役割について報告。今年から急性期病院,回復期病院,在宅療養支援診療所が集まって研究会を立ち上げ,急性期から在宅まで一貫した連携パスを作成・運用していることを明らかにした。訪問看護師の立場からは秋山正子氏(白十字訪問看護ステーション)が,「もともとは在宅にいた人。生活者として入院患者を見てほしい」と病院関係者らに訴えた。また,地域で「顔が見える関係づくり」を構築した事例を紹介し,病院と在宅の(一方向でない)双方向の情報発信を続けることが肝要であるとした。
「顔の見える関係づくり」を
木村純氏(市立函館病院)は,自院が参加している地域連携の取り組みを紹介した。複数の施設,多職種が参この記事はログインすると全文を読むことができます。
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