医学界新聞

寄稿

2007.08.06

 

【投稿】

第30回米国総合内科学会(SGIM)に研修医として参加して

野坂宜之(トヨタ記念病院統合診療科)


 私は2007年4月25日から28日の4日間,カナダのトロントで開催された第30回米国総合内科学会(Society of General Internal Medicine:SGIM)の年次総会に参加し,トヨタ記念病院で得た一症例についてポスターで発表してきました。この学会の特徴は普通の医学会と異なり,医学生やレジデントが,有名な上級医と親密な話し合いができるようにプランされていたことです。実際に今学会に出席し,その有様を見て,大変有益な情報を得ることができたので,その内容を報告させていただきます。

SGIMとは

 SGIMは米国医学部や教育病院でプライマリケアを専門とする約3000人の会員からなる団体で,医学生やレジデントの内科教育の他,成人プライマリケアや予防医学領域における教育に主眼をおいた学会です。特に今回のSGIM年次総会では医学生やレジデントの臨床医学教育や研究の質を向上させるためにはどのような教育をすればよいかに重点が置かれ,独創的な情報の交換やディスカッションをする場が用意されていました。

 医学生やレジデントにとって,医学会での議論のレベルは高すぎて理解しがたいものがほとんどであると思いますが,この学会では医学生やレジデントを対象としたセッションも数多く用意され,同じような視点を持つ若者同士での意見交換が活発に行われるシーンを数多く見ることができました。

プログラムの実際

 その内容を具体的に紹介してみようと思います。年次総会初日の朝には,医学生やレジデントを対象にした朝食会が催され,SGIMの幹部の先生や総会に参加したレジデントとの交流ができるようになっていました。さらにSGIM幹部メンバーが,われわれレジデントの興味を引くようなワークショップやセッションがいつどこで行われるかという紹介をしてくれたので,総会期間中,私たちレジデントはそのようなセッションに出席していろいろなことを学ぶことができました。

 例えば,“Getting your clinical vignette published in JGIM or other journals”(症例報告をJGIMやその他のジャーナルに投稿してアクセプトされるにはどうしたらよいか?)というテーマのワークショップでは,レジデントたちが小グループに分かれ,上級医が個々の症例を紹介しながら出席者といろいろ議論をし,その後,そのケースを医学雑誌に投稿してアクセプトされるための具体的なポイントを教えてくれました。また,口頭プレゼンテーションの準備の仕方や,学会発表のコツを教えてくれるワークショップでは,それに関する実践的な知識を得ることができま...

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