医学界新聞

2007.04.23

 

2006年度保助看国家試験合格者発表

保健師合格率が99%の高率で,合格者1万人を突破。
助産と看護は例年なみの合格率を維持。


5年一貫養成課程から初めて2390人の合格者誕生

 厚労省は3月27日,全国11会場で本年2月に実施した2006年度の第93回保健師国家試験,第90回助産師国家試験および第96回看護師国家試験の合格者を発表した。

 今回は,保助看の国家試験出題基準(2003年版)が適用される4回目の試験。昨年に引き続き,試験問題の持ち帰りが認められ,合格発表時には正答が厚労省HPに発表された。合格率は保健師が99.0%,助産師94.3%,看護師90.6%。保健師の合格率は前回(78.7%)から大幅に上昇し,合格者数は1万人の大台を超えた。助産師・看護師は例年なみの合格率で推移した(表)。また,いわゆる「不適切問題」については,保助看でそれぞれ1問ずつを認め,採点除外等の措置を取った。

 保助看国試合格者数・合格率の推移
  回数 合格者数(人) 合格率(%)
保健師 89 7,454 91.5
90 8,048 92.3
91 7,440 81.5
92 8,182 78.7
93 11,029 99
助産師 86 1,531 89.2
87 1,694 96.2
88 1,619 99.7
89 1,570 98.1
90 1,529 94.3
看護師 92 49,714 92.6
93 44,874 91.2
94 44,137 91.4
95 43,211 88.3
96 46,000 90.6

 学校区分による合格者状況を次頁に示した。今回の看護師国家試験から,高等学校の5年一貫看護師養成課程に在籍する看護学生の受験が始まり,2593人中2390人が合格した。注目された合格率は92.2%と平均よりも高く,昨年の高等学校専攻科(2年課程)新卒の合格率86.3%と比べても上昇。健闘をみせた。

 また,前回から2年課程通信制の受講者による受験が始まっている。今回は2805人中2358人が合格。通信制の学校数,受講者数が制度開始2年目以降に大幅に増えたことで,合格者も昨年の507人から大幅に増加した。

 図1は,新卒・既卒あわせた看護師国家試験合格者4万6000人の学校区分を円グラフで示したもの。通信制と5年一貫教育からの合格者が,全体の1割を占める結果となった。

例年よりやさしかった看護国試

 発表会場の1つである東京・厚労省講堂には,受験者・各学校関係者らがつめかけた。発表の14時になると,前列から一斉に自分の番号を探し始め,携帯電話のカメラを用いて番号を記念撮影する受験者も多くみられた。取材した看護師国家試験の受験者,学校関係者らは「例年より簡単だった」と声を揃えた。一般問題・状況設定問題の合格基準(図2)が194点以上/269点と例年より高めだったことからも,平均点があがったと推察される(2003年度以降,一般問題・状況設定問題の合格基準は162点以上/270点,165点以上/269点,176点以上/269点と推移している)。

図2 2006年度保助看国試の合格基準
第93回保健師国家試験
一般問題を1問1点(74点満点),状況設定問題を1問2点(60点満点)とし,次の合格基準を満たす者を合格とする
◆総得点 81点以上/134点

第90回助産師国家試験
一般問題を1問1点(74点満点),状況設定問題を1問2点(60点満点)とし,次の合格基準を満たす者を合格とする
◆総得点 81点以上/134点

第96回看護師国家試験
必修問題および一般問題を1問1点,状況設定問題を1問2点とし,次の(1)(2)のすべてを満たすものを合格とする
(1)
(2)
必修問題
一般問題
状況設定問題
24点以上/30点
194点以上/269点

 なお,免...

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