医学界新聞

2007.04.16

 

MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内


神経救急・集中治療ハンドブック
Critical Care Neurology

篠原 幸人 監修
永山 正雄,濱田 潤一 編

《評 者》田代 邦雄(北海道医療大教授・心理科学)

神経救急・集中治療を取り上げた本邦初の名著誕生

 神経学(Neurology)の臨床としては,本邦では神経内科が診療科・講座の代名詞として定着している。しかし神経疾患診療においては急性期から慢性期まで幅広く神経疾患に対応していくことは必須のことであり,神経内科,脳神経外科,一般内科,救急・集中治療,総合診療科,さらにはリハビリテーション科もチームの一員である。ところが,神経疾患救急を真正面から取り上げた神経内科からの教科書は今日まで存在しなかったのである。

 このたび,医学書院より出版された『神経救急・集中治療ハンドブック』は,その英文サブタイトルである「Critical Care Neurology」を前面に打ち出した本邦初の神経救急教科書である。その監修をされている篠原幸人先生は東海大学神経内科教授として長年にわたり教育,診療,研究に従事され,現在は立川病院院長そして日本脳卒中学会理事長として益々のご活躍をされていることは周知の事実である。先生の主宰された学会は数多いが,ここでは神経学(神経内科学)を全面に出した日本神経学会総会と日本神経治療学会総会での会長講演を含め,また日頃から御指導を受けてきた立場よりこの名著に迫りたいと考えた。

 1999年第17回日本神経治療学会会長講演「脳血管障害の治療戦略と治療の将来展望」ではEvidence-based Neurology,また,2003年の第44回日本神経学会会長講演の「21世紀の神経内科学」ではPreventive Neurologyという用語が登場する。また,これらの学会や,さらに本書の監修の序および第1章において,先生が特に強調されたいCritical Care Neurology,Emergency Neurology,そして「動の神経学」,「静の神経学」についてのお考えが述べられている。

 本書は第1章「なぜ,今Critical Care Neurologyか」,第2章「重症神経症候とその管理」,第3章「重症神経疾患とその管理」,第4章「全身的合併症とその管理」そして最後の第5章「重症神経症候・疾患管理の方法」に分けられた470頁にわたる大著である。

 しかし,篠原先生のコンセプトをすべて理解された永山正雄,濱田潤一両先生の編集のもと65名の全国のエキスパートを網羅した適材,適所の執筆陣により統一された書式で内容がまとめられており,各項目毎に「Neurocritical care pearls」とする簡潔なキラリと光る真珠の輝きの要旨,また必要な図表,フローチャートを多用,さらに鮮明な画像も採用,そして参照すべき重要文献を加えるという見事な統一が図られている。

 本書をはじめから通読することも何の抵抗もないばかりでなく,その状況に応じた項目をピックアップできるなど,辞書的な役割も果たせるような配慮がなされていると感ずる。さらに国内のみならず外国の情報もふんだんに取り入れていく見事なコンセプトも具現されており,神経学を学び,また実践しているすべての方々にとって必携の書として,その出版に心からの賛辞を表するものである。

A5・頁496 定価5,775円(税5%込)医学書院


簡要 神経学 第4版

岩田 誠,岩田 淳 訳

《評 者》河村 満(昭和大教授・神経内科)

すべての医療従事者に勧められる神経学入門書

 Wilkinson先生の『Essential Neurology』を最初に手にしたのは20年近く前,学会総会の書店であった。一緒にあれこれと本を選定していた故伊藤直樹先生(元千葉大学神経内科講師)が勧めてくれたので購入した。伊藤先生か

この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。

開く

医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。

医学界新聞公式SNS

  • Facebook