第21回日本がん看護学会開催
集学的治療に向けて看護師同士の協働を
2007.03.26
集学的治療に向けて看護師同士の協働を
第21回日本がん看護学会開催
第21回日本がん看護学会が2月9-10日,佐藤エキ子会長(聖路加国際病院)のもと東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて開催された。本会は第2回国際学術集会との合同開催で,共通テーマとして“Cancer Nursing in the 21st Century:Empowerment and Harmony”を掲げている。がんの集学的治療が求められる中,看護師同士の協働はますます大きな課題となっている。
まず基調講演として佐藤会長が「がん患者のニーズに応える看護サービスの構築-病院管理者の立場から」と題して講演。その中で「チーム医療の条件は対等性。医師の補助をするのではなく,それぞれの専門性をもった職種が対等な立場で協働していくことが重要」と訴えた。また,管理者の立場から,患者のニーズに応えるために(1)環境支援(患者・医療者の視点に立った環境整備),(2)財務支援(経済的サポート),(3)包括的がん医療の推進,を行っていくことが必要と述べた。
病院看護師と地域看護師との連携を

昨年から「専門分野における質の高い看護師育成事業」が予算化され,その中でも特にがんに関する専門看護師の育成には重点が置かれている。山田氏は,現在医政局看護課が各都道府県に委託している看護師育成事業を紹介。都道府県は,がん診療連携拠点病院を中心に,周辺医療機関の看護師を集約し,40日間の実務研修を行う。1施設につき20名の少人数制で,カンファレンスや,地域連携での症例検討会などにも参加。座学はほとんどないという。山田氏は,今年度9都道府県が研修に取り組んでおり,来年度は47都道府県すべてで行ってもらいたいと語った。
また,医療提供体制の改革や切れ目のない医療提供の延長線上には在宅医療があると述べ,診療報酬・介護報酬の改定により,これからは医療ニーズと介護ニーズをあわせ持つ中・重度者への支援を強化していくと語った。最後に,「看看連携」の必要性を強調。病院で働く看護師と地域で働く看護師との視点のずれを指摘し,「お互いを理解したうえでそれぞれの役割を十分に発揮するために,病院に勤務している看護師が地域も含めた看護のあり方を一緒に考えることが肝要」と述べて降壇した。
客観的な立場からの支援
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