医学界新聞


スーパーローテート時代の研修医当直事情

2007.03.12

  【特集】
スーパーローテート時代の研修医当直事情

伊澤 敏(JA長野厚生連佐久総合病院診療部長)


研修医当直の現状について全国調査

 平成17年度厚労科研事業「医療安全のための教材と教育方法の開発に関する研究」(主任研究者:上原鳴夫・東北大学大学院教授)の中で,著者らは臨床研修の安全管理に関する全国調査を実施した。同調査では全国の臨床研修病院および大学附属病院,計928施設にアンケート調査用紙を郵送し,282施設より回答をいただいた。本稿では東北大学大学院・安井大策の解析をもとに,研修医の当直の現状と指導体制の問題について述べる。

初期研修医の宿直明けの休労時間および連続勤務時間の制限

 宿直明けの休労時間については,有効回答272施設中167施設が取り決めは「ない」と回答していた。「ある」と回答した105施設では,午後休み45施設,全日休み13施設,半日休み5施設,午前休み4施設としているが,「原則として宿直明けは休みであるが守られていない」等,規則はあるが遵守されていない状況がうかがえる回答も多数あった。研修医が宿直明けに休労できない施設は多い。

 1回当たりの連続勤務時間の制限については有効回答273施設中243施設が設けていなかった。連続勤務時間制限を設けていると答えた30施設中,最長連続勤務時間は32時間であった。これは通常勤務の後に宿直をし,宿直明けに8時間勤務をこなす労働条件を意味する。

救急外来における2年次研修医の単独診療

 新しい臨床研修制度では

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