理学療法ジャーナル Vol.60 No.4
2026年 04月号
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- EOI : essences of the issue
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EOI : essences of the issue
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特集 理学療法現場で役立つ 《保存版》トレーニングの基本
理学療法の臨床現場で活用できるトレーニングの基本の最新の知見を,最前の現場でご活躍の先生方に解説していただく.筋力,パワー,柔軟性などの基礎的体力要素から,バランス,視覚制御,メンタルや運動イメージ,さらには artificial intelligence(AI)などのテクノロジー活用まで惜しみなく詳述していただいた.
臨床場面におけるトレーニングに必要な構成要素──臨床現場で求められるトレーニングプログラムのデザイン 松田直樹,他
定期的な身体活動は健康で活動的なライフスタイルには不可欠である.トレーニングの目的は実施する個人によって大きく異なり,トレーニングプログラムにはニーズ分析と評価が基本となる.身体活動の評価には,global positioning system(GPS)機器や映像技術,artificial intelligence(AI)などのテクノロジーの利用が必要である.本稿では,こうしたトレーニングの基本となるプログラムデザインを概説する.
柔軟性(フレキシビリティ)トレーニング 中村雅俊
本稿では柔軟性トレーニングの代表的なストレッチングについて,処方・実践に必要な時間・頻度・強度についてレビュー論文をもとに概説をした.特に柔軟性の改善には1回のストレッチング時間よりも1週間あたりのすべてのストレッチング時間の合計である総ストレッチング時間で検討する必要性を述べた.この指標を用いることで,理学療法士が対象者の状況に応じてストレッチング処方が可能になると考えられる.
筋力・筋パワートレーニング 赤岩龍士
トレーニングの三原理・五原則は不変であるものの,その具体的な手法はスポーツ科学の発展とともに急速に変化している.本稿では,筋パワートレーニングについてフィジカル・コンディショニングの階層性を踏まえ,負荷量よりも「質」や「速度」に注目し,理学療法の臨床で活用可能な「動作を鍛える」トレーニング手法について紹介する.
有酸素系トレーニング 神谷健太郎
本稿では,有酸素運動の目的,生理学的機序,具体的方法について整理し,FITT-VPに基づく運動処方の指針を提示した.身体活動量の確保に加え,運動耐容能の向上が生命予後改善に重要であり,安全管理と個別性の視点から臨床応用の要点を概説した.
敏捷性(アジリティ)トレーニング 吉沢 剛,他
敏捷性(アジリティ)は,外部刺激に応じて動作を素早く変化させる能力である.高齢者に対するアジリティトレーニングは,予測不能な環境変化への対応能力を高め,転倒予防に有効とされる.実施には,対象者の身体機能レベルに応じた段階的な難易度調整と,適切な環境設定や安全管理が求められる.本稿では,臨床現場におけるアジリティトレーニングの考え方と実施方法について概説した.
バランストレーニング──発展と将来展望 田中敏明
本稿では,1990年代以降の理学療法領域におけるバランストレーニングの理論的・実践的発展を体系的に整理し,その臨床的意義と今後の展望を示す.バランス機能は感覚入力-中枢統合-運動出力の連続的プロセスにより維持され,主要なトレーニングは科学的根拠に基づく介入として確立されてきた.近年はvirtual reality(VR),多感覚適応,artificial intelligence(AI),センサー技術を用いた自動調整型トレーニングが進展し,アダプティブリハビリテーションの基盤を構築している.感覚・運動・認知を統合した持続可能なバランストレーニングモデルの確立が期待される.
メンタルトレーニング 伊藤真之助
理学療法士が身体機能の維持・向上をめざし,リハビリテーションを実施する際に,必ずしも望ましい効果が得られるわけではない.それは対象者が個別性を有し,その個別性には身体各部の機能はもちろん,「こころ」も含まれるからである.目標設定やリラクセーション,イメージトレーニングなどのメンタルトレーニング技法を活用することで,対象者の自己コントロール能力を高め,効果的なリハビリテーションを実施することへの一助となることが期待される.
イメージトレーニング──神経生理学的背景から実践まで 堀田昂己,他
運動イメージは,実運動を伴わずに脳内で運動をシミュレートする過程であり,脳の運動関連領域の賦活と脊髄運動神経機能の興奮性での調整を介して運動パフォーマンス改善に寄与する.筋感覚的・視覚的イメージなど戦略の違いが効果に影響し,実運動との併用で神経可塑性を高め機能回復を促進する.臨床では対象者の評価と段階的導入が重要であり,制約下における練習機会の創出手段として有効性が期待される.
ビジョントレーニング──視覚運動制御の観点から整理する考え方と実践 奥村智人
ビジョントレーニングを,状況把握から行為の選択・調整・実行に至る「視覚運動制御」の過程として整理した.視機能(入力)―視覚情報処理―統合(判断・予測)―運動出力のどこを狙うかを明確にし,要素練習から目的動作に近い課題へ条件を加えて段階化する.練習効果のパフォーマンスへの移行には限界があり個人差も大きいため,対象者に合わせて段階と条件を調整して活用することが重要である.
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特集 理学療法現場で役立つ 《保存版》 トレーニングの基本
臨床場面におけるトレーニングに必要な構成要素──臨床現場で求められるトレーニングプログラムのデザイン
松田直樹,他
柔軟性(フレキシビリティ)トレーニング
中村雅俊
筋力・筋パワートレーニング
赤岩龍士
有酸素系トレーニング
神谷健太郎
敏捷性(アジリティ)トレーニング
吉沢 剛,他
バランストレーニング──発展と将来展望
田中敏明
メンタルトレーニング
伊藤真之助
イメージトレーニング──神経生理学的背景から実践まで
堀田昂己,他
ビジョントレーニング──視覚運動制御の観点から整理する考え方と実践
奥村智人
●とびら
ドアノブのないとびらを開く
小諸信宏
●運動器疾患に対する超音波画像評価とエコーガイド下運動療法──EBPTに活かす![最終回]
足底腱膜炎に対する超音波ガイド下運動療法
工藤慎太郎,他
●COVID-19パンデミック後の変革⑦
地域におけるアップデート 通所施設
山 健斗
●臨床理学療法に活かす生理学④
呼吸困難を軽減するための生理学──原因,機序,評価と理学療法
金﨑雅史
●計測力を磨く──簡易機器で始める臨床研究入門[新連載]
計測力を磨く──よりよい臨床実践と研究マインドを育む
内山 靖
●臨床実習サブノート 効果的かつ安全な起居動作へのアプローチ[最終回]
内部障害者の長期臥床による廃用症候群
平野正仁,他
●報告
生成人工知能を用いた理学療法士国家試験解説の妥当性と信頼性の検証──ChatGPT-4oとGemini Advanced 2.0の比較を通して
禹 炫在,他
●私のターニングポイント
移住がくれた新しい役割と成長の実感
守屋一憲
●学会印象記
第23回日本神経理学療法学会学術大会──科学は反証を繰り返すことにより発展する
吉田悠佑
学術大会における「場の体験」と地域とのかかわり──第23回日本神経理学療法学会学術大会オプショナルツアーを通して
中谷知生




