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総合リハビリテーション Vol.53 No.4
2025年 04月号
特集 小児整形外科疾患のリハビリテーション治療
ISSN | 0386-9822 |
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定価 | 2,640円 (本体2,400円+税) |
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特集 小児整形外科疾患のリハビリテーション治療
小児整形外科領域の診断・治療の進歩に伴い,リハビリテーション治療の重要性も高まってきています.小児整形外科疾患に対しては,成長発達の過程やライフステージを考慮し,家庭や地域社会とも連携しながら診療が行われており,リハビリテーション専門職はますます大きな役割を担うことが期待されます.今回の特集では,リハビリテーション専門職が担当することが多い小児整形外科疾患のうち,上肢疾患,股関節疾患,足関節疾患,骨系統疾患,スポーツ外傷・障害を取り上げ,エキスパートとしてご活躍されている先生方にリハビリテーション専門職が知っておくべき評価や治療のポイントについてご解説いただきました.
1.上肢疾患 高木岳彦 氏
小児の上肢疾患の形態としては内反肘,外反肘,内反手,および外反手などがある.内反肘では上腕骨顆上骨折をはじめとする骨折や成長障害などが原因となる.外反肘の原因の多くは上腕骨遠位部の骨折である.内反肘と外反肘の治療では矯正骨切り術などが考慮され,リハビリテーション治療は術後に行われる.内反手や外反手の治療方針は橈骨や尺骨の低形成の程度により決定され,装具による矯正は生後5~6か月程度で開始し,手術は1年後以降に行う.
2.股関節疾患 小林大介 氏
小児の代表的な股関節疾患としては発育性股関節形成不全,ペルテス病,大腿骨頭すべり症がある.発育性股関節形成不全の完全脱臼股に対する治療手段には,Riemenbugel法,牽引療法,観血的整復術がある.ペルテス病に対しては,装具療法や観血的治療が選択され,関節可動域訓練から荷重訓練へと進める.大腿骨頭すべり症に対しては全例観血的治療が必要となる.安定型と不安定型では治療法が異なり,術式や術後経過により免荷期間を設定する.
3.足関節疾患 田中弘志 氏
小児の足部変形は特発性と麻痺性に分けられる.特発性足部変形には先天性内反足などがある.先天性内反足にはできるだけ早期にPonseti法と呼ばれる初期治療を行う.外反扁平足には足趾屈筋などの筋力トレーニングをまず指導する.脳性麻痺による尖足に対しては下肢運動機能に応じて,装具療法や手術方法を選択する.二分脊椎による足部変形に対しては,Sharrard分類とHoffer分類を用いて治療目標を設定し,運動療法や装具療法を開始する.
4.骨系統疾患 芳賀信彦 氏
骨形成不全症などの易骨折性を示す疾患に対しては,痛みや骨折を生じないように運動療法や装具療法を行う.先天性脊椎骨端異形成症などの関節障害を示す疾患では関節水腫や滑膜炎の程度を評価し,疼痛や炎症が強い場合には関節に負荷のかかる運動を控える.脊椎・脊髄障害を示す疾患には軟骨無形成症などがあり,変形が固定しないように脊柱の可動性を維持しながら,手術治療の時期を見逃さないように麻痺の出現に注意して定期的に評価する.
5.学童期のスポーツ外傷・障害 帖佐悦男 氏
成長期の運動器は柔軟性に富んでいるが,成長軟骨は強度が低く外力に弱い.この時期の代表的なスポーツ外傷・障害としてOsgood-Schlatter病や野球肘をはじめとする骨端症や骨端線損傷などがある.スポーツ外傷に対しては外傷局所の機能回復に加え,俊敏性,持久力や調整力の向上を図る総合的なトレーニングを行い,スポーツ障害に対してはセルフケアの教育を含めた運動療法を行う.そして,物理療法や装具療法を病態に応じて追加する.
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医書.jpにて、収録内容の記事単位で購入することも可能です。
価格については医書.jpをご覧ください。
特集 小児整形外科疾患のリハビリテーション治療
上肢疾患
高木 岳彦
股関節疾患
小林 大介
足関節疾患
田中 弘志
骨系統疾患
芳賀 信彦
学童期のスポーツ外傷・障害
帖佐 悦男
●巻頭言
懐(ふところ)の深い医師
吉村 芳弘
●入門講座
特別支援教育とスクールカウンセリング④
誰一人取り残されない学びに向けた支援──学校・家庭・医療の連携
佐藤 牧子
●実践講座
嚥下障害の評価の実際①
脳血管障害急性期における嚥下機能評価のポイント
谷口 洋,他
車椅子クッションどう選ぶ?④
脊髄損傷者
森田 智之
●研究と報告
回復期における重度失語症の改善経過に関する検討
山田 晃司,他
●総説
低位前方切除後症候群に対する理学療法士によるリハビリテーション治療のスコーピングレビュー
小椋 遼治,他
●高齢者と障害者の住まいの選択①
高齢者の住まい①──選択の基本的な考え方
関田 歩
●歩行と動作の計測機器④
ビデオ・カメラ映像を用いた動作分析装置──歩行動作分析の数値客観化の重要性と動画を用いた骨格推定アルゴリズムの活用可能性
志水 宏太郎,他
●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
フランク・オコナーの『ぼくのエディプス・コンプレクス』──父親と息子のライバル関係
高橋 正雄
●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「わたしの物語」──障害のある若き映像作家が世に問う障害観構築の新たな視座
二通 諭
●学会印象記
第46回 総合リハビリテーション研究大会
田代 知恵
●学会報告
第57回 中国四国リハビリテーション医学研究会
坂井 孝司
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