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- EOI : essences of the issue
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EOI : essences of the issue
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特集 小脳 update──運動と認知
小脳病変では四肢・体幹の協調運動障害に対する理学療法を中心に進められてきたが,認知,情動や学習の遅延など多彩な症状によって長期にわたる治療介入が必要な場合もある.本特集では,小脳構造と機能,運動,認知にかかわる最新のトピックスを踏まえて,臨床実践での理学療法の評価の視点と治療戦略について詳細に解説いただくこととした.
小脳の構造と機能 杉原 泉
ヒト小脳の独特の外形が示す後葉半球部(第I脚,第II脚小葉)と前葉虫部・傍虫部の発達は,それぞれ,ヒトに備わった高度・巧緻な認知・言語・思考能力と,動物のなかで唯一2本脚起立姿勢で安定して活動できる運動能力を反映していると思われる.ヒトのさまざまな活動において,苔状線維から小脳に提供される身体情報や中枢情報に対して小脳の各モジュール(異なる機能を担当する領域)が並行して最適な応答パタン(小脳出力)をつくり出す.それが状況に適応した活動を発現させるための中枢神経系の活動を支えている.
小脳型運動失調の症候学 福武敏夫
歴史的には,運動失調は後索性として登場し,その後に小脳性が加わった.小脳由来ではない非小脳性運動失調は感覚性運動失調と称されてきた.しかし,大脳病変などで小脳性と区別しにくい運動失調が現れるので,小脳性運動失調を含めて「小脳型運動失調」と呼ぶことが提唱された.本稿では小脳型運動失調を概観するが,なかでも Miller Fisher症候群の運動失調が国際的コンセンサスにて臨床-生理学的に通常の感覚性ではなく小脳型とされたことを強調したい.
小脳と認知機能 森本千恵,他
小脳は大脳と連関し,運動制御だけでなく,認知・情動にも重要な役割を果たす.小脳の各領域の機能は,大脳との連関の態様を反映すると考えられている.高次の脳機能に関与する大脳-小脳ネットワークの破綻は,社会生活機能全般に広く影響する障害をもたらす可能性がある.本稿では,小脳の認知・情動にかかわる神経基盤を踏まえ,精神医学からみた小脳病変について,近時の見解を紹介する.
小脳ならびに小脳脳幹病変に伴う運動失調に対する評価と理学療法 廣谷和香
小脳および小脳脳幹は大脳・脊髄と関連し複雑な脳内ネットワークシステムを形成する.そのため,運動失調だけでなく脳神経症状や学習への関与,非運動性機能など多様な病態を呈し,臨床症状の解釈に難渋することも多い.本稿では運動失調の病態を整理しながら,症例を通じた評価・治療戦略の一考を示す.
小脳・脳幹の多彩な臨床症状の評価と理学療法──脊髄小脳変性症 近藤夕騎
脊髄小脳変性症では,小脳性運動失調だけでなく,多様な臨床症状が原因となって活動および参加に制限が生じる.本稿では,脊髄小脳変性症の疫学について概説し,小脳性運動失調に対する理学療法,そして,小脳性運動失調以外の臨床症状,特に自律神経障害,めまいに焦点を当て,理学療法士の視点からのアプローチを解説する.
小脳機能の低下を伴う他疾患症例に対する理学療法──下肢骨折 中谷知生
小脳機能の低下を伴う疾患ではさまざまな要因で転倒による下肢骨折受傷のリスクが高い状況にある場合が多い.小脳の機能低下後に下肢骨折を受傷するなど,疾患が複合した状況では明確な診療の指針がなく,臨床判断に悩む場合が多い.近年の研究では小脳疾患,ならびに大腿骨近位部骨折ともに積極的な立位歩行トレーニングの実施がより効率的な動作能力向上につながるという報告が多く,適切な難易度調整による積極的な立位歩行トレーニングにより効率的な能力向上が期待できる.
本稿では小脳機能の低下,ならびに大腿骨近位部骨折の理学療法の問題点を整理し,これらが複合した場合の基本的な方向性について提示する.
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特集 小脳update──運動と認知
小脳の構造と機能
杉原 泉
小脳型運動失調の症候学
福武敏夫
小脳と認知機能
森本千恵,他
小脳ならびに小脳脳幹病変に伴う運動失調に対する評価と理学療法
廣谷和香
小脳・脳幹の多彩な臨床症状の評価と理学療法──脊髄小脳変性症
近藤夕騎
小脳機能の低下を伴う他疾患症例に対する理学療法──下肢骨折
中谷知生
■Close-up 宇宙医学
宇宙環境が運動器・循環器系に及ぼす影響とその予防方法
山田 深
民間の宇宙進出に対応する健康管理体制──宇宙医学の立場から考える責務と展望
門馬 博,他
●とびら
理学療法の核心を守りながら,しなやかに変化を楽しむ
松浦道子
●視覚ベースの動作分析・評価⑥
腰部──腰痛緩和のための骨盤,胸郭への介入
城内若菜
●運動療法に活かすための神経生理(学)④
運動療法はどのようなメカニズムで関節疾患の痛みを軽減するのか?
坂本淳哉,他
●今月の深めたい理学療法周辺用語⑩
ハイドロリリース
斉藤 究,他
●理学療法士のための「money」講座⑩
給料が増えない……副業するか
細川智也
●臨床実習サブノート
「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか⑦
回復期脳卒中患者に対するバランス練習
大田瑞穂
●報告
大腿骨近位部骨折患者における日本語版Cumulated Ambulation Scoreと術後短期的な歩行能力の関連性
鳥山貴大,他
●ひろば
理学療法士の臨床推論の原理原則
奈良 勲
●私のターニングポイント
恩を公言することでチャンスが生まれる
水谷 準
●My Current Favorite
地域連携と臨床推論でリハビリテーションの質を高める
青島健人
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