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- BRAIN and NERVE Vol.76 No.11
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特集の意図
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本誌では2019年に「ALS 2019」と銘打った特集を組み,ALSに関するその時点での知見を網羅的に取り上げ,好評を持って迎えられた。それから5年が経過し,ALSの新薬開発状況は大きく変化したが,日常診療での問題点はまだまだ私たちの前に大きく立ちふさがっている。今回の「ALS 2024」では鼎談も交えつつ,今なお解決されていないALS診療上の問題点と,最新の治療薬開発状況に主眼を置いてお届けする。
【鼎談】ALSの今日と明日 福武 敏夫 , 荻野 美恵子 , 神田 隆
ALSの診断と告知,そして治療—臨床神経内科医としての40年の経験からの個人的な展望 福武 敏夫
筆者の神経内科医としての40年に及ぶALS患者の診療の経験を叙述的にまとめた。前半の20年の大学とその関連病院の患者から5人を選び,後半20年の現在の病院での経験から,赴任以前から31年間闘病を続けた患者と私自身が初診した24例における問題点をまとめた。診断では四肢発症例における下垂足についてと球麻痺発症例における嗄声について述べ,さらに家族,告知,療養生活について問題点を検討した。
ALSの疾患修飾薬時代の新しい診断基準—Gold Coast診断基準の有用性と留意点 山川 勇 , 漆谷 真
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)における疾患修飾薬の開発状況は目覚ましく,家族性ALSに対する核酸医薬tofersenの登場によりALS治療は転機を迎えた。早期診断・早期治療介入を効果的に進めるためには,診断基準の感度がより改善することが求められる。2020年に作られたGold Coast診断基準は上位運動ニューロン障害を欠く症例のALS診断を可能とした診断基準として活用が期待されているが,診断特異度を担保するために必要な運用上の留意点を概説する。
ALSの緩和ケア 荻野 美恵子
日本において緩和ケアはがんを中心に発展してきており,ALSの緩和ケアについては必ずしも緩和ケアの専門家が十分な経験があるわけではない。ALSの症状そのものに対する治療がすなわち緩和ケアになる側面もあり,神経内科医や在宅医が対処に慣れていく必要があるのが現状である。特に終末期のオピオイドの使用方法はがんの疼痛緩和とは異なるので,注意が必要である。またオピオイドが万能ではないことも自覚すべきである。
トフェルセン—SOD1_ALSと闘う新しい核酸医薬 石黒 太郎 , 永田 哲也 , 横田 隆徳
SOD1変異に伴う家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)は1993年に原因遺伝子が同定されて以来,30余年に渡り病態研究や治療法の開発が進められてきた。トフェルセンは病態に即した待望の遺伝子特異的治療薬で米国FDA,欧州EMAにおいて製造販売承認されたが,安全性と有効性に関する継続的なデータ蓄積を求められており道半ばである。わが国での今後の承認への期待と共にトフェルセンを取り巻く現況について紹介する。
ALS治療薬開発の現状 井口 洋平 , 勝野 雅央
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は進行性,難治性の運動ニューロン疾患である。ALSの治療薬としてはリルゾールとエダラボンが承認されているが,ALSは依然として急速に運動障害を引き起こす致死性の疾患であり,より効果的な治療法の開発が急務である。ALSの病態メカニズムの解明,効率的な臨床試験デザイン,研究支援プログラムの進歩などにより,多くのALSに対する臨床試験が国内外で進行中である。
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医書.jpにて、収録内容の記事単位で購入することも可能です。
価格については医書.jpをご覧ください。
特集 ALS 2024
【鼎談】ALSの今日と明日
福武敏夫×荻野美恵子×神田 隆
ALSの診断と告知,そして治療──臨床神経内科医としての40年の経験からの個人的な展望
福武敏夫
ALSの疾患修飾薬時代の新しい診断基準──Gold Coast診断基準の有用性と留意点
山川 勇,漆谷 真
ALSの緩和ケア
荻野美恵子
トフェルセン──SOD1_ALSと闘う新しい核酸医薬
石黒太郎,他
ALS治療薬開発の現状
井口洋平,勝野雅央
■総説
軽症頭部外傷のサイエンス
戸村 哲
心の中に思い浮かべたイメージを脳信号から可視化する
小出(間島)真子,他
脳神経外科領域における神経内視鏡・外視鏡を用いた最新のヘッドアップサージェリー
荻原利浩,他
●スーパー臨床神経病理カンファレンス
第10回 右手の筋力低下で発症し,構音障害,嚥下困難を呈した死亡時75歳女性例
岩崎 靖
●原著・過去の論文から学ぶ
第8回 大脳皮質基底核変性症をめぐる疾患概念の変遷
若林孝一
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