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第2778号 2008年4月17日


2007年度保助看国家試験合格者発表

保健師合格者が2年連続1万人を突破
助産と看護は例年なみの合格率を維持


 厚労省は3月25日,2007年度の第94回保健師国家試験,第91回助産師国家試験および第97回看護師国家試験の合格者を発表した。

 合格率は保健師91.1%,助産師98.1%,看護師90.3%。保健師の合格率は前回(99.0%)から下降したが,助産師,看護師はともに例年なみの合格率で推移した(表)。「正答肢が存在しない」「複数の正解がある」などの理由で採点除外等の扱いとなった問題は,保助看でそれぞれ1問ずつであった。

 保助看国試合格者数・合格率の推移
  回数 合格者数(人) 合格率(%)
保健師 90 8,048 92.3
91 7,440 81.5
92 8,182 78.7
93 11,029 99
94 10,066 91.1
助産師 87 1,694 96.2
88 1,619 99.7
89 1,570 98.1
90 1,529 94.3
91 1,690 98.1
看護師 93 44,874 91.2
94 44,137 91.4
95 43,211 88.3
96 46,000 90.6
97 46,342 90.3

 学校区分による合格者状況をこちらに示す。前回の看護師国家試験から高校・高校専攻科5年一貫看護師養成課程に在籍する看護学生による受験が始まっており,2830人中2541人が合格した。新卒者の合格率は93.2%(前回92.2%)と,今回も高い合格率であった。また,3年目を迎える2年課程通信制においては,4063人中3285人が合格した。受験者数も前々回628人,前回2805人と,年々増加傾向にある。2008年4月には,宮城県と石川県に新たに2校が開設し,合わせて22校となった。

 発表会場の1つである東京・厚労省講堂には,受験者・学校関係者らがつめかけ,発表の14時になると,あちこちで歓声が上がった。看護師国家試験の受験者,学校関係者からは,「問題傾向や難易度には大きな変化はなかったが,実践力を問う問題が多かった」などの声が聞かれ,より臨床に即した出題が重視されたことがうかがえた。

改定出題基準適用は2009年度の見込み

 国家試験の出題基準は,医療の実情等,看護を取り巻く現状を踏まえ,おおむね4年ごとに見直されている。昨年10月より保健師助産師看護師国家試験制度改善部会において審議が開始され,報告書が2008年3月24日に出された。

 改善すべき出題基準事項として,看護師国家試験では,必修問題を現行の総問題数240問の範囲内で,現在の30問から20問増やし,合計50問程度とすべきであることが挙げられた。看護師として不適格な者を選別する方法の1つとして検討されていた禁忌肢については導入が見送られたが,「患者等の生命を直接脅かす行為」,「触法行為」および「非倫理的な行為」を問う問題の出題を強化するとされた。

 なお保健師・助産師国家試験において検討されていた必修問題の導入については見送られた。

 これら改定出題基準の適用は,2009年度の第96回保健師国家試験,第93回助産師国家試験および第99回看護師国家試験からの導入が見込まれる。

2007年度保助看国試の合格基準
第94回保健師国家試験
一般問題を1問1点(75点満点),状況設定問題を1問2点(58点満点)とし,次の合格基準を満たす者を合格とする。
総得点 80点以上/133点

第91回助産師国家試験
一般問題を1問1点(75点満点),状況設定問題を1問2点(60点満点)とし,次の合格基準を満たす者を合格とする。
総得点 81点以上/135点

第97回看護師国家試験
必修問題および一般問題を1問1点,状況設定問題を1問2点とし,次の①②のすべてを満たすものを合格とする。
(1)必修問題    24点以上/ 30点
  (2)一般問題   180点以上/270点
  状況設定問題

出題形式の改善も検討――2008年度の適用か

 本報告書は保健師助産師看護師国家試験に共通した事項として,出題形式の改善およびプール制の推進など,試験問題の難易度を安定させる取り組みについても言及している。

 出題形式としてこれまで採用されていた「選択肢のうち2つを組み合わせた4つの解答コードから1つを選ぶ形式」では,確実な知識がなくても正解できるとの指摘があることから,「複数の選択肢から2つの正解肢を選ぶ形式」の導入の検討が挙げられた。また,判断の内容を問う問題形式や,多数の選択肢群を複数の問題で共用する解答形式など,多様な出題形式を導入していくことが望ましいとされた。状況設定問題においては,応用力を問うために,複数の試験科目にまたがった出題も可能とすべき,などの意見も出された。

 これらの出題形式等の改善は,2008年度の第95回保健師国家試験,第92回助産師国家試験および第98回看護師国家試験から導入が見込まれる。

 今回の看護師国家試験の傾向および解説については,医学書院発行「看護教育」誌6月号(49巻6号)に掲載されます。

■2008年(2007年度)保助看国家試験合格者状況

第94回保健師国家試験合格状況
  受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
全体 11,055 10,066 91.1
新卒者 10,720 9,866 92
区 分 学校数 新 卒 既 卒
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
大学 120 9,755 8,967 91.90% 299 181 60.50%
短期大学専攻科 14 416 396 95.20% 11 6 54.50%
養成所 20 548 503 91.80% 25 13 52.00%
その他   1 0 0.00%      
154 10,720 9,866 92.00% 335 200 59.70%

第91回助産師国家試験合格状況
  受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
全体 1,722 1,690 98.1
新卒者 1,631 1,604 98.3
区 分 学校数 新 卒 既 卒
受験
者数
合格
者数
合格率 受験
者数
合格
者数
合格率
大学院 3 38 38 100.00% 1 1 100.00%
大学
専攻科
3 34 34 100.00%      
大学 82 699 682 97.60% 26 24 92.30%
短期大学
専攻科
17 183 178 97.30% 22 20 90.90%
養成所 33 677 672 99.30% 41 40 97.60%
その他         1 1 100.00%
138 1,631 1,604 98.30% 91 86 94.50%

第97回看護師国家試験合格状況
  受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
全体 51,313 46,342 90.3
新卒者 46,718 44,176 94.6
区 分 学校数 新 卒 既 卒
受験
者数
合格
者数
合格率 受験
者数
合格
者数
合格率
3年課程 663 31,380 30,176 96.20% 1,984 1,156 58.30%
大学 121 8,951 8,728 97.50% 278 190 68.30%
短期大学 46 2,042 1,903 93.20% 266 153 57.50%
養成所 496 20,387 19,545 95.90% 1,440 813 56.50%
2年課程 361 12,695 11,538 90.90% 2,387 905 37.90%
短期大学 8 208 156 75.00% 49 19 38.80%
養成所 284 8,490 8,022 94.50% 1,360 516 37.90%
高等学校
専攻科
51 384 328 85.40% 528 117 22.20%
通信制 18 3,613 3,032 83.90% 450 253 56.20%
高校・高校
専攻科
5年一貫教育
65 2,634 2,454 93.20% 196 87 44.40%
その他   9 8 88.90% 28 18 64.30%
1,089 46,718 44,176 94.60% 4,595 2,166 47.10%