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フレイル・サルコペニア予防!
在宅でできる生活リハビリテーション・栄養管理のポイント

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フレイル・サルコペニアを予防するために在宅で行う生活リハビリテーション、栄養管理のポイントについて、わかりやすい文章、豊富なイラストを用いて解説した実践書。状態観察、清拭、洗髪、排泄介助、ストーマやウロストミー交換、入浴、食支援など、さまざまな場面における生活リハビリテーションの実践方法がよくわかります。

編集 内橋 恵 / 吉村 芳弘
発行 2025年04月判型:A5頁:120
ISBN 978-4-260-05362-4
定価 2,200円 (本体2,000円+税)

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  • 序文
  • 目次

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はじめに

 筆者は,介護保険による訪問看護サービスが始まった当初に右も左もわからないまま訪問看護の世界に飛びこみました。当時,ほとんど(と言っても過言でない)の利用者・家族から,ケアの時間が余ればリハビリテーション(以下,リハ)もしてほしいと要望があり,利用者に合った効果的なリハを同僚と勉強して教え合いながら少しだけ行っていました。そのころから,「ケアプランに沿った+α」の生活リハの本があればいいな,と同僚とぼやいていました。その経験が,脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の教育機関に進んだ最初のきっかけであり,そして,勉強を進めていく中でリハ看護とも出会ったのです。

本書を企画した経緯
 本文にも示していますが,リハ看護の目的は日常生活の自立とQOLの向上です。筆者は,専門職としての知と技をもって生活リハを実践することが生活機能の改善につながると考えています。しかし,時代は流れ,多くのリハ職が訪問看護ステーションに在籍する現在,利用者・家族がリハを希望すると,ケアマネジャーがリハを組みこんだケアプランを作成して,リハ職が訪問し,訪問看護師がリハを行うことが減ったように実感することが増えました。
 そして,数年前から,フレイル・サルコペニア・低栄養への関心が徐々に広がりました。実は,これらは訪問看護師なら誰もが実感していた問題で,一進一退する利用者の状態の根底には加齢だけでなく栄養障害があり,療養上の世話を行うだけでは,少なくともサルコペニア・低栄養は改善しないと気づくと,危機感も高まりました。
 「ケアプランに沿った+α」の生活リハの書籍の必要性を再認識し,書籍がないなら私がつくる!と意を決したのもこのころです。慣れない企画書(もちろん人生初!)をまとめ,サルコペニア研修で教えていただいた,本書のもう1人の編者である吉村芳弘先生に相談し,アドバイスを受け,医学書院に相談し,本書を企画することができたのです(企画が通ったとの知らせを電話で聞いた時は嬉し泣きで何を言ったか覚えていないほどでした)。

本書の構成
 総論と各論の2部構成となっています。
 総論では,訪問看護師に知っていてほしい栄養評価にくわえて,フレイル・サルコペニアの概要について述べています。
 各論では,サルコペニアのエキスパートであり,生活期のケアなどにも詳しい先生方に執筆をお願いしました。訪問前の看護サマリーから読み取る栄養障害の有無から始まり,訪問中に行える栄養スクリーニング,ケアプラン(状態観察・清拭・洗髪・排泄介助・ストーマやウロストミー交換・入浴・食支援・終末期の生活リハ)に沿った具体的な生活リハの方法をイラストを用いて説明しています。

 改めて,手にとっていただいた皆様に感謝を申し上げます。また,執筆してくださった先生方にも深謝申し上げます。特に,お力を貸していただいた吉村芳弘先生,医学書院の方々には感謝の念に堪えません。
 本書籍は,訪問バッグに入れて持ち運びしやすいようにA5サイズにし,また,さっと必要な項目を開きやすいように頁の右端に項目名を表示しています。利用者・家族と見ながら生活リハを行うのでもいいですし,個別指導の資料づくりなどにも活用できます。ぼろぼろになるまで活用していただければ幸いです。
 1人でも多くの訪問看護師の手に届き,この生活リハを通して,利用者が1日でも長くよい在宅生活を過ごせるようになることを願ってやみません。

 2025年3月
 内橋 恵

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はじめに

総論 フレイル・サルコペニアの基礎知識と在宅ケアの重要性
 なぜ訪問看護師が栄養評価をするべきなのか
 多面性をもつフレイル
 訪問看護師が知っておくべきフレイルの評価と介入
 サルコペニア
 オーラルフレイルとサルコペニアの嚥下障害
 低栄養
 リハ看護と栄養
 訪問看護における栄養指導
  ▪ 在宅でできる栄養サポート
   ・ 不規則な食事パターンの人に対するケア
   ・ 少量しか食べられない人に対するケア
   ・ 食事に集中できない人に対するケア
  ▪ 在宅でできる献立の工夫
 運動療法
  レジスタンス運動と有酸素運動
  歩けない人の効果的な運動療法
 薬物療法

各論 訪問看護師のサルコペニア評価と生活リハ
 在宅の栄養スクリーニング
  看護サマリーから読み取る栄養障害の有無 訪問前/訪問中~後
 訪問看護師が行うサルコペニアの観察ポイントと生活リハ
 [実践]訪問看護師ができる栄養スクリーニングと生活リハ
  状態観察
  清拭
  洗髪
  排尿介助
  排泄介助──排便
  ストーマ交換・ウロストミー交換
  入浴
  食支援
 終末期の生活リハと栄養スクリーニング

索引

COLUMN
 食事を工夫する際の注意点
 手すりをつかむ位置による力の観察
 訪問看護における血圧測定時の注意点
 清拭が必要な理由
 洗髪が週に2回必要な理由
 尿失禁を有する在宅高齢者の自立に向けて
 体液の分布・比率と役割
 高齢者の便秘を解消するための提案
 ストーマ造設部位と栄養障害
 入浴の意義と効果

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