理学療法ジャーナル Vol.58 No.4
2024年 04月号

ISSN 0915-0552
定価 2,090円 (本体1,900円+税)

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特集 DXが理学療法にもたらす未来

 DX(デジタルトランスフォーメーション;digital transformation)は,「進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革するもの」とされ,社会に浸透しつつある.医療・介護・福祉の領域においても,データとデジタル技術を駆使した診療業務や経営モデルなどに変革が進んでおり,理学療法の有り様も変化していくことが予想される.理学療法が関連する領域での先進的な取り組みなどを通してDXの現在地と将来について知り,今後DXが理学療法にもたらす変化と可能性について考えていく足がかりとしたい.

DXとは何か──医療・福祉・介護にDXがもたらすもの 吉橋謙太郎
 医療・福祉・介護分野におけるDXとは何か.そしてDXがこの分野にもたらす影響は何なのか.その出発点から,Society5.0やデータヘルス改革などの進展について,また,それに付随するinternet of things(IoT)や人工知能(artificial intelligent:AI)などのデジタル技術の活用について,具体例や実践例,課題などを示しながら説明する.本稿が,この分野におけるDXについて,より明確なイメージを提供する足がかりとなることを願う.

DXと電子カルテ,その可能性と未来 篠原直樹
 少子高齢化による人手不足という課題の解決には,電子カルテのモバイル化やクラウド化が鍵を握ると考える.人工知能(artificial intelligence:AI)を用いた転倒・転落リスクの可視化や,モバイル電子カルテによるスタッフ間の連携強化,多職種協働セルケアシステム®という働き方改革,そして電子カルテデータを誰もが簡単に経営分析できるツールの活用など,未来の電子カルテは地域医療を見据え,AIを活用しながら持続可能性を追求するものであるべきである.

疾病管理におけるヘルスケアアプリの活用の実際と可能性 金居督之,他
 近年の技術革新により,デジタルヘルスへの注目が増している.そのなかでも,スマートフォンを活用したヘルスケアアプリやモバイル端末の普及により,それらを健康管理のために利用することが日常化している.ヘルスケアアプリやモバイル端末を適切に利用することにより,生活習慣や疾病管理の可視化が可能になる.本稿では,国内企業のヘルスケアアプリの開発・活用事例を紹介し,今後の課題と展望について解説する.

VR・AR・MRのリハビリテーションへの応用と可能性 金子文成,他
 バーチャルリアリティ(virtual reality:VR)技術は,さまざまな産業での利用が期待されている.近年は,現実の物理的空間と人工的に作られた空間を融合させて新たな体験を生み出す一連の技術を包括する総称として,extended reality(xR)という言葉が使われる.これらの技術を用いることで,プライミング効果や身体感覚の錯覚に伴う生理学的効果が期待でき,リハビリテーションに応用できる可能性がある.本稿では,理学療法領域におけるxRの応用について解説する.

歩行分析のデジタイゼーション──深層学習を活用した姿勢推定技術の現在地点と今後のDXの可能性 奥山航
 理学療法における歩行とは,パフォーマンスや自立度を高める対象であり,機能向上や健康増進を図る手段でもある.理学療法士が最もかかわる機会の多い動作であるがゆえに,その分析手法は多くの関心を集める.本稿では,歩行の定量的な分析手法の変遷を振り返りつつ,近年急速に発展している深層学習による姿勢推定技術の精度などの現在地点と今後もたらされるDXについて述べる.

遠隔心臓リハビリテーションの実際と可能性 福田吉辰,他
 遠隔心臓リハビリテーションは,感染症予防や,過疎地医療の提供体制の整備に重要な役割を果たす.遠隔心臓リハビリテーションは「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」でも推奨クラスIIa(エビデンスレベルB)に加えられた.このことは遠隔医療を推進するうえで重要な一歩となる.本稿では,遠隔心臓リハビリテーションの管理システムや研究から得られた効果,実現可能性について述べる.

Mobile applicationによる生活習慣病管理の可能性 脇 嘉代
 情報通信技術(information and communication technology:ICT)およびinternet of things(IoT)を自分の健康管理に活用することは今後,主流になっていくと考えられる.主要なサイトから入手可能な医療アプリおよびヘルスケアアプリは35万件を超えており,すでに多くの人がこうしたヘルスケアアプリをスマホやタブレットなどの自分の端末にインストールして生活習慣の改善に役立てている.本稿では慢性疾患のなかでも糖尿病と糖尿病関連腎臓病とICTおよびIoTを取り上げる.

在宅医療におけるオマハシステムの活用──訪問リハビリテーションでの活用事例 中西 純,他
 オマハシステムとは,効率的に「問題」,「介入」,「問題別評定」の3つのステップで記録を効率的に作成する情報管理システムのことである.ウィルクラウドではオマハシステムを実装しており,記録作成する際に自然と網羅的に情報が管理される仕組みとなっている.情報を管理しやすいだけでなく現場でのスタッフ間の共通言語が増えるため使いやすく,看護師との情報共有が行いやすい「ゆるい」ツールとなっている.

教育現場でのDX活用の実際と可能性 山下喬之,他
 仮想現実(virtual reality:VR)教材は,通常では容易に経験できないことをその場で繰り返し疑似体験することができ,その高い臨場感・没入感は,学習意欲や学習効果にも効果的である.本稿では,学内教育と臨床実習教育との間にVRで臨む演習を位置づけることで,「学習者にとって,“習ったことがある”段階で初めて臨む臨床実習を,“見たことがある”段階で臨む臨床実習へとトランスフォームさせる」という教育DXのコンセプトを紹介する.

DXがもたらす未来に理学療法士が備えておきたいこと 梶原侑馬
 医療,福祉,介護,ヘルスケアのなかで進んでいくデジタルトランスフォーメーション(DX)について,情報通信技術(information and communication technology:ICT)や人工知能(artificial intelligence:AI)などで現在でも着手できるDXの事例は多く,業務効率化やリハビリテーションの質向上においても重要である.DXにおいて重要な要素としてサービス提供者だけでなく医療従事者,理学療法士の意識改革がある.従来の価値観だけにとらわれず変化に適応することが重要である.そして,DXにおいて重要なコミュニケーション力についても見解を示す.

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特集 DXが理学療法にもたらす未来

DXとは何か──医療・福祉・介護にDXがもたらすもの
吉橋謙太郎

DXと電子カルテ,その可能性と未来
篠原直樹

疾病管理におけるヘルスケアアプリの活用の実際と可能性
金居督之,他

VR・AR・MRのリハビリテーションへの応用と可能性
金子文成,他

歩行分析のデジタイゼーション──深層学習を活用した姿勢推定技術の現在地点と今後のDXの可能性
奥山航平

遠隔心臓リハビリテーションの実際と可能性
福田吉辰,他

Mobile applicationによる生活習慣病管理の可能性
脇 嘉代

在宅医療におけるオマハシステムの活用──訪問リハビリテーションでの活用事例
中西 純,他

教育現場でのDX活用の実際と可能性
山下喬之,他

DXがもたらす未来に理学療法士が備えておきたいこと
梶原侑馬


■Close-up 短下肢装具・下腿義足の現在の課題
理解しておこう 短下肢装具の現在の課題
中野克己

理解しておこう 下腿義足の現在の課題
山本一樹


●とびら
点睛の機
内山 靖

●今月の深めたい理学療法周辺用語 4
ソーシャル・キャピタル(social capital:SC)
藤原佳典

●中間管理職の悩み 10
スタッフの離職に伴う職場環境ケアの方法を教えてください
[回答者]渡邉賢治

●理学療法士のための「money」講座 4
ぶっちゃけ,何がどう違うの?──NISA,iDeCoを徹底比較
細川智也

●臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか [新連載]
人工膝関節全置換術後の関節可動域運動
田中友也

●報告
脳卒中により運動失調を呈した患者におけるMini-Balance Evaluation Systems Testの変化の感度と応答性
山崎雄一郎,他

●紹介
性的マイノリティへの理学療法を適切に実践するために性をSOGIから捉える
中西 純,他

●学会印象記
第6回日本理学療法管理学会学術大会──理学療法の多様性と管理学,そして価値の創造
井上靖悟

第12回日本理学療法教育学会学術大会──卒前から卒後までのシームレスな教育連携の意義と課題の再考
忽那俊樹

●私のターニングポイント
行動し続けてもたらされた,神様からのプレゼント
吉田竜一

●臨床のコツ・私の裏ワザ
気道粘膜の生理学に基づいた呼吸理学療法・排痰のコツ
石光雄太

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