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執筆者の皆様へ
著作物の新たな活用に向けた弊社の取り組み―AI技術への対応を中心に

平素より弊社の出版活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

生成AIをはじめとする情報処理技術の急速な進化は、医療情報の流通や活用に大きな変革をもたらしつつあり、読者が求める情報とその入手方法は日々多様化しています。このような状況において、弊社は専門出版社としての社会的使命を全うすべく、これらの新技術と真摯に向き合う必要があると考えています。

基本方針

生成AIをはじめとする新たな情報処理技術により、膨大な医学・医療情報の中から利用者一人ひとりが必要とする情報へ迅速にアクセスできる環境が整備されつつありますが、医学・医療専門職の皆様にとりましては、それらの情報が最新かつ正確で信頼のおける厳選されたものであることが必要不可欠の条件であると考えています。

このような状況において、弊社は、創業以来の使命である「専門書出版社としての役割と責任を自覚し、医学・医療の進歩に必要な専門情報を的確に伝え、医学・医療の発展と社会の福祉に貢献する」を念頭に、AI技術や今後開発されうるあらゆる新技術を重要な目的達成手段と位置付け、臨床・研究・学習等、様々なシチュエーションにおける新たな価値創造を目指して取り組んでまいります。

 

注)AI技術開発等への著作物利用に関する弊社の考え方は、社告「AI技術開発等を目的とした当社著作物の利用について(著作権法第30条の4あるいは47条の5に関する考え方について)」に詳しいので、併せてご覧ください。

著作物の利用と対価に関する考え方

AI技術を用いた著作物の学習利用に関しては、著作権法30条の4、あるいは47条の5といった法制上のルールに則って運用が行われています。しかし、進歩が著しいAI技術については、その在り方を巡って今なお社会的な議論が進行しており、様々な立場に基づく見解が錯綜している状況にあります。

弊社はこうした動向を注視して法の遵守を徹底しながらも、執筆者の権利と意向を最大限に尊重することを第一義とし、以下のように対応していきます。

 

1.厳格な管理と透明性の確保

AI技術を用いた著作物の利用は、弊社の厳格な管理が可能なセキュアな環境に限定し、ライセンス(第三者への利用許諾)の場合においても、ライセンシーに対し同様の環境を整備させることを契約において担保いたします。また、利用状況についても透明性を確保します。

 

2.対価について

弊社は、著作物の二次利用による対価が得られた場合、皆様との著作権契約書に則り二次使用料をお支払いしております(別途契約書・執筆依頼状・投稿規程等により二次使用料等についての取り決めがある場合はそれが適用されます)。今後、新たなサービスによって収益が生じた際には、契約書等の取り決め事項に準じて、皆様へ適切に対価を還元できる仕組みを整備いたします。


 

弊社は、今後も執筆者との信頼関係を基盤として、ともに医学・医療の発展に貢献していきたいと考えております。そのために、上記の点に留意しつつ、出版という従来のビジネスモデルに加え、新たな技術を用いたサービスの展開を推進し、著作物のさらなる有効活用を積極的に進めてまいります。

皆様におかれましては、弊社の取り組みにご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

2025年10月
株式会社 医学書院