まむしのたわごと
── 医学書院創業者 金原一郎エッセー集

医学書院の創業者である金原一郎が著したエッセーです。「まむし」は金原一郎の自称で、一度食いついたら離れない執念に由来するもの。元々は1962年から1981年にかけて『週刊医学界新聞』に連載したものでしたが、それを全18冊の小冊子として発行しました。そこに盛られた人生哲学・出版哲学は、今も社内に生きています。

金原一郎がたびたび社員に説いたのが「必要は高価を買わしめる」という言葉でした。単純に儲けることを述べたものと捉えられがちですが、真意は「高価を買わしめるだけの “必要” な本を作れ」あるいは「価格を下げるために内容を落とすな」ということです。「高価を恐れずに、真に質の高い学術書を出版する」との志を述べたものと言えます。

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1894年8月31日~1986年7月22日

金原寅作、とうの次男として生まれる。株式会社金原商店社長を経て、日本医学雑誌株式会社、株式会社医学書院を創業。
洋書・洋雑誌の輸入をはじめ、他社に先駆けて英文出版を始めるなど、世界的視野で出版事業を拡充した。基礎医学への造詣が深く、その遺志は金原一郎記念医学医療振興財団へと受け継がれている。